2014.10.10
中国:甘粛省におけるペスト患者の発生について
在中国日本国大使館より
甘粛省衛生・計画生育委員会は、10月2日、甘粛省酒泉市においてペスト症例が1件発生したと公表しています。 その概要は以下のとおりです。
○公表の概要
「甘粛省酒泉市(粛北蒙古族自治県)において、ペスト症例が1件発生」 10月2日、甘粛省酒泉市衛生局からペストと疑われる症例(馬氏、男性、45歳、漢族、粛北県石包城郷魚児紅村の放牧業従事者)が1件報告された。
10月1日、男性は発熱、咳の症状のため病院に搬送され、入院後治療中であったが病状が悪化し、死亡した。
10月3日、国、甘粛省、酒泉市及び県四級の専門家は、この患者の臨床症状、流行病学及び実験室の検査結果により、肺ペストと診断した。この患者が放牧に従事していた地点は、国が判定しているヒマラヤタルバガンペスト(リス科「タルバガン」)の自然疫源地で、この数年、同地区では動物間のペストが流行していた。疫病発生後、省委、省政府の幹部はこの問題を重視し、省委書記等幹部は、それぞれ重要な指示を出し、酒泉市政府、省衛生計画生育委員会等の関係部門が直ちに組織協力し、すばやい疫病の拡散防止と撲滅を要求した。国家衛生・計画生育委員会は専門家を現場に派遣し、疫病の処置を指導しており、省、市の衛生計画生育部門からも専門家が派遣され、疫病の拡大防止の措置を展開している。市・県政府は関係部門を組織し、疫病に対する各種の拡散防止措置を全力で実行している。すでに遺体の無害化処理は規定に基づき完了し、41名の濃厚接触者に対しては、医学隔離観察措置を実施した。この患者が居住していた村等の感染の可能性のある区域は隔離エリアに指定され、封鎖と消毒殺菌処理が行われた。現在、医学隔離観察を受けている者に異常な症状は見られず、疫病の発生地点及び周辺地区の生産活動及び生活秩序は正常である。
(参考URL)
甘粛省衛生・計画生育委員会:http://www.gsws.gov.cn/html/2/5/46722.htm
2.注意喚起
上記公表のとおり、発生症例については患者が死亡し適切に遺体が処理され、また、濃厚接触者に対しては、拡大防止のための隔離などの措置が講じられた結果、感染拡大は確認されておりません。在留邦人の皆様におかれましては、念のため、以下の注意事項を参考に行動することをお勧めします。
●ペストは、感染したノミに咬まれることによって人へうつります。また、肺に感染すると患者の咳によっても、容易に人から人へとうつります。
●このため、感染が起こる地域では、ネズミ(※今般はリス科「タルバガン」を介したものではないかと報道されています)が生息している場所に立ち入らないことが重要です。
●また、肺ペストが流行している地域には立ち入らないことが重要です。流行時は、激しい咳をしている人には近寄らないようにして下さい。
●接触してしまった場合には直ちに医療機関を受診し、予防のための抗生物質服用について相談してください。
(問い合わせ窓口)
○在中華人民共和国日本国大使館 領事部
住所:No.1 Liangmaqiao Donjje,Chaoyang District, Beijing 100600,
People's Republic of China
(北京市朝陽区亮馬橋東街1号)
電話:8531-9800
国外からは(国番号86-10)8531-9800
FAX:6532-7081
国外からは(国番号86-10)6532-7081
(参考HP)
国立感染症研究所「ペスト」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/514-plague.html
厚生労働省検疫所HP
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name37.html