2017.02.06
中国 遼寧省内における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症例の発生
~遼寧省内における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症例の発生~
在瀋陽日本国総領事館(2017年第3号)
遼寧省において、鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が2例確認されたところ、概要は以下のとおりです。
1.1月30日、遼寧省衛生・計画生育委員会は、省内において鳥インフルエンザA(H7N9)の感染例を2例確認したと発表しました。患者は瀋陽市康平県と朝陽(市)北票市の者で、現在のところ、病状は安定しているとのことです。
2.中国国内では、2017年1月前半期だけで111例のヒト感染例が報告されており、昨年の同時期よりも早いスピードで増加しており、死亡者も確認されています。人手が多い場所に出かける際はマスクを着用する、こまめに手を洗う、生きた鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入を避けるなど、予防を心がけてください。
3.鳥インフルエンザA(H7N9)について
(1)症状
これまで海外で報告された情報によると、多くの患者に発熱や咳、息切れ等の症状が見られたことに加え、重症の肺炎に発展し、中には死に至るケースが見られました。ただし、この病気の詳細はまだ分かっていません。
(2)感染源
現時点において感染源は不明ですが、鳥インフルエンザにかかった鳥の羽や粉末状になったフンを吸い込んだり、その鳥のフンや内臓に触れてウイルスに汚染された手から鼻へウイルスが入るなど、人の体内に大量のウイルスが入ってしまった場合に、ごくまれに感染すると考えられています。ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていません。
(3)予防
鳥インフルエンザA(H7N9)に対する一般的な予防策は以下のとおりです。
●休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける。
●手指等の衛生保持に心掛ける。
●咳やくしゃみの症状がある患者とは、可能な限り濃厚接触を避ける。
●温度の変化と乾燥しすぎに注意する。
●高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた時は、適切なタイミングで専門医の診断を受ける。
また、鳥インフルエンザA(H7N9)の特徴及び上記に追加する具体的予防策は以下のとおりです。
●生きた鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入を避ける。
●死んだ鳥や放し飼いの家禽との接触を避ける。
●鳥の排泄物に汚染された物との接触を避ける。
●手洗い、うがいにつとめ、衛生管理を心がける。
●外出する場合には、人混みは出来るだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がける。
(4)発生地域からの帰国時・帰国後の対応
帰国時に発熱、咳、のどの痛みなどの症状がある場合には、検疫所の健康相談室に申し出てください。また、帰国後10日以内にこれらの症状が出た場合には、速やかに最寄りの医療機関を受診し、発生地域に渡航・滞在していたことを伝えてください。
3.海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)
●参考情報
内閣官房(新型インフルエンザ等対策)
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/about_h7n9.html
鳥インフルエンザ(H7N9)について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html
中国国家衛生計画生育委員会
http://www.nhfpc.gov.cn/zhuzhan/index.shtml
香港衛生署衛生防護センター
http://www.chp.gov.hk/en/guideline1_year/29/134/332.html
マカオ特別行政区政府衛生局
http://www.ssm.gov.mo/portal/
WHO:Avian influenza A(H7N9) virus
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/