2013.08.20
中国の新たな出入国管理法等の運用
日本国駐広州総領事館より
2013年7月1日から施行された中国の新たな出入国管理法(中華人民共和国出境入境管理法)の運用や9月1日から施行予定の出入国管理条例(外国人入境出境管理条例)に関し、広東省公安庁出入境管理局と意見交換を行ったところ、同庁担当者による説明の概要は以下のとおりです。
なお、本内容は、意見交換を行った時点での広東省公安庁出入境管理局の見解を聞いたものであるため、最新の状況や各地域での状況については、各地出入境等にお問い合わせください。
1.居留許可審査期間
・ 出入国管理法第30条には申請資料を受け取った日から15日(15営業日)以内に外国人居留証を発行することとされており、7月1日以降、審査期間が従来よりも長くなっている。
これは、中国国内の外国人の増加等を受けたものであるが、旅券を長い期間預かることによる不便は理解しており、現在、各市・区公安局の出入境にはできる限り早く処理するよう指示している。
・ 親族の危篤、学生の受験等の特別な理由で緊急に旅券が必要な場合、審査期間の短縮又は審査中の旅券の返納等、柔軟な対応を取ることはできる(週末、夜間も専用窓口を設置)。
旅券が必要となる特別な理由を証明する書面(他に手段がない場合には自書により事情を説明したものでも可)を持参した上、個別に市・区公安局の出入境に相談してほしい。
なお、審査中に旅券を本人に返納した場合には、申請から15営業日以内に当該旅券を再提出した場合は審査が継続されるが、15営業日を超えた場合には再度申請する必要がある。
2.居留許可申請中の「受理回執」(旅券預り証)の効果
・ 外国人入境出境管理条例第18条は、居留証の延長等申請を受理した際に、市・区公安局は「受理回執」を発行することとなっている。
「受理回執」を持つことにより、外国人は合法的に中国国内に滞在できることとなる。
「受理回執」は、本人の中国国内における合法的な滞在を証明するものであるため、旅券を預けている間は、「受理回執」を携行するようにしてほしい。
・ (「受理回執」を示してもホテルへの宿泊を拒否される例があるとの問いに)ホテルによっては、最新の法令動向を知らないところもあると思われる。
個別にそのような事態が発生した場合は、最寄りの派出所に連絡し、派出所からホテルに対して「受理回執」の効果を説明してもらっても良い。
・ 電車、バスへの乗車、飛行機の搭乗については、各機関がそれぞれ独自の規定により、外国人に関して必要な証明書を定めているものと思われる。(当館から「受理回執」の効果について、統一的な対応がなされるよう要望した。)
3.9月1日から施行予定の出入国管理条例
・ 新たなビザ区分については、9月1日以降に申請するものについて実施される。
Mビザ、Qビザ等の従来なかった新たなビザ区分ができたが、従来のビザと比較して審査が厳格になる訳ではない。
新たなビザ区分については、条例において明確に示されているので、自分がどの区分に該当するのか迷うことは少ないと思うが、もし迷うようであれば事前に最寄りの市・区公安局出入境に聞いてほしい。
・ 生体認証登録については、指紋(10指)登録である。居留許可申請時のみ登録が必要になるが、いつから登録を開始するかについては、まだ決まっていない。
4.ビザ・居留許可の審査期間に関する注意喚起
・ 今般の新たな法令の施行について、広東省公安庁では、外国人が多く住む地域には直接文書を配布するなどにより、注意喚起を行うなどしている。
現時点、法令が変わったことに気づかずにビザや居留許可の期間を過ぎてしまっている例は余り多くないと認識しているが、できる限り早めにこれらの手続きを行うようにしてほしい。