2021.09.17
オーストラリア シドニー大都市圏で自宅隔離のパイロット事業の開始を発表(2021年10月~4週間)
【ポイント】
●NSW州政府は豪州連邦政府との連携の下、本年10月より海外から豪州に入国した際に、現行の強制隔離(14日間)の代わりに自宅隔離(7日間)を行うパイロット事業を開始すると発表しました。同事業は国境を再開させるための準備と位置づけられ、本事業での知見は将来の隔離プログラムに活かされます。
●モリソン豪州首相は、同事業が豪州が安全に国境を再開させるための助けとなる、との期待を述べています。
またベレジクリアンNSW州首相は、ワクチン接種率が目標値に近づく中で、新しい方途を見据える必要性があると述べるとともに、コミュニティの安全を最優先にする方針を強調しています。
【本文】
1 NSW州政府は、豪州連邦政府との提携の下、海外から豪州に入国した際の14日間の強制隔離の代わりに、7日間の自宅隔離を行うパイロット事業を開始すると発表しました(本年10月よりシドニー大都市圏において4週間実施)。同事業は、国境を広く再開させるための準備と位置づけられており、事業を通じて判明した知見は将来の隔離プログラムに活かされます。同事業の概要は以下のとおりです。
(1)豪州薬品・医薬品行政局(TGA)が認定した新型コロナウイルスワクチンの接種完了者(複数回)175人を対象に、7日間の自宅隔離が試験実施されます(隔離期間は、現行の14日間から7日間に短縮)。連邦政府の首席保健官は、NSW州の首席保健官と協議を行い、TGA認定ワクチンの接種が完了した渡航者の隔離期間を短縮する提案を支持しています。
(2)NSW州保健省及び同州警察が実施・監視活動を行います。NSW州保健省は、リスク調査を実施しつつ、対象者を選定する予定です(NSW州内の居住者、外国人、カンタス航空乗務員等も含まれる見込み)。
(3)NSW州は、南オーストラリア州での使用実績がある携帯電話アプリを活用予定です。同アプリには、隔離者の実施状況を監視する目的で、所在地検索・顔認証技術が採用されています。また、同アプリは、新型コロナウイルス検査の日程や症状を、隔離者に知らせてくれます。隔離者のプライバシーは、Service NSWが現在用いているチェックインと同様の方式で保護されます。
(4)警察による無作為対面検査も実施されます。違反者には現行の罰則が科せられます。
2 モリソン豪州首相は同事業について、今後、豪州が安全に国境を再開させるための助けとなり、また新型コロナウイルスとともに生きる(we live with COVID-19)ための方途を切り開く実験となる、と述べています。
3 ベレジクリアンNSW州首相は、自宅隔離事業の実施はコミュニティの安全を維持しつつ、ワクチンを接種した豪州人をより多く帰還させるために不可欠である、ホテルでの隔離はこれまで重要な防衛線の役割を果たしてきたが、ワクチン接種率が目標値に近づく中で、我々は新しい方途を見据えておかなければならない、コミュニティの安全を最優先とし同事業は厳格に実施される、と述べています。
○NSW州政府ウェブサイト
(9月17日発表:NSW州は自宅隔離のパイロット事業を実施)
https://www.nsw.gov.au/media-releases/nsw-to-run-home-quarantine-pilot-program
(海外からの来訪者のための隔離規則)
https://www.nsw.gov.au/covid-19/quarantine
(州の新型コロナウイルス情報)
https://www.nsw.gov.au/covid-19
【在シドニー日本国総領事館】
Consulate-General of Japan in Sydney
Level 12、 1 O'Connell Street、Sydney NSW 2000 Australia
代表電話(61-2)9250-1000
Fax(61-2)9252-6600
Web: https://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html