2025.02.15
韓国|3月よりモバイルバッテリーの機内充電および荷物棚への保管を禁止
韓国国土交通部は2025年3月1日より、韓国発の韓国籍航空会社の航空機内でのモバイルバッテリー 及び 電子たばこの取り扱いに関する新しい安全規則を施行すると発表しました。
今回の安全規則は、2025年1月28日に釜山で発生したエアプサンの機内火災事故の原因がモバイルバッテリーによるものと断定されたわけではありませんが、火災リスクに対する不安を考慮し、予防的な対応が必要であると判断したことから策定されるものです。
施行される安全規則の主な内容は以下の通りです。
韓国国土交通部(MOLIT)|보조배터리·전자담배 들고 항공기 탑승, 선반 보관·충전 안돼요
下記規則は 韓国を出発する韓国籍航空会社 に当面適用される予定です
韓国発の外資系航空会社(日系航空会社含む)は今後協議を経て段階的に適用される見込みです
機内持ち込み容量・数量制限
モバイルバッテリー 及び 電子タバコは、受託手荷物(スーツケースなど)への預け入れは禁止されますが、機内持ち込みは許可されます。ただし、機内持ち込みの場合でも容量と数量の制限 及び 厳格な保管規則が適用されます。
モバイルバッテリーの機内持ち込可否は、バッテリーの電力容量(Wh)によって異なります。
許容量を超える場合は、航空会社の承認手続き(チェックインカウンターで申請)を必ず経る必要があり、承認されたバッテリーには別途 承認シール が貼られます。
※ セルフチェックインなどを利用する乗客には、航空券予約時から下記5段階に渡って持ち込みルールが案内される予定
① 航空券予約時 → ② 出発の24時間前 → ③ 搭乗手続き時(キオスク端末)→ ④ 搭乗時(搭乗ゲート)→ ⑤ 搭乗後の機内
バッテリー容量(Wh) | 持ち込み個数 | 備考 |
---|---|---|
100Wh以下 | 最大5個まで可 | 5個を超える場合は航空会社の承認が必要(医療目的など特別な理由がある場合のみ) |
100Wh~160Wh | 最大2個まで可 | 航空会社の承認の上で承認シールが必要 |
160Wh超 | 持ち込み禁止 | 機内持ち込み不可 |
<参考情報>一般的なモバイルバッテリーの分類(目安)
・通常使用される 20,000mAh以下 のバッテリー → 100Wh以下(〇 持ち込み可能)
・大容量バッテリー(30,000mAh)→ 100Wh~160Wh(△ 航空会社の承認が必要)
・キャンプ用などの超大容量バッテリー(50,000mAh超)→ 160Wh超(✕ 持ち込み不可)
バッテリー容量(mAh) | バッテリー電圧(V) | 計算結果(Wh) |
---|---|---|
20,000mAh | 3.7V | 74Wh |
10,000mAh | 3.7V | 37Wh |
※ 計算式:バッテリー容量(Wh)= バッテリー容量(mAh) × バッテリー電圧(V) ÷ 1,000
モバイルバッテリーのショート防止対策
モバイルバッテリーの端子(埋め込み型・突起型を含む)が金属と接触しないように、絶縁テープで覆うか、保護用ポーチやビニール袋(例:ジッパーバッグ)に入れて保管する必要があります。
※ チェックインカウンター 及び 機内にショート防止用の透明ビニール袋を設置予定
※ 乗客が必要に応じて使用できるように航空会社がサポートを提供する予定
保安検査の強化
未承認のモバイルバッテリーの持ち込みなどの規則違反が疑われる場合、または航空会社からの要請がある場合は、手荷物を開封し、航空会社の承認が必要なバッテリーが含まれているか追加検査を実施するとしています。 未承認のバッテリーが発見された場合、該当する航空会社に即時引き渡して確認・処理されます。
モバイルバッテリー 及び 電子タバコの機内収納棚での保管禁止・使用制限等
機内持ち込み可能なモバイルバッテリー 及び 電子タバコは、頭上の収納棚での保管は禁止されます。
以上が発生した際に迅速に対応できるよう、乗客が直接所持するか座席前のポケットに入れる必要があります。
また、モバイルバッテリーの充電も禁止されます(機内電源やその他のバッテリーを使用した充電も含みます)。