2020.12.28
フィリピン 変異種発生による政府の検討状況
【ポイント】
●12月26日、フィリピン政府は、英国等で発生した変異種事案を受けて、大統領と医療専門家・IATF閣僚らとの会合を開催し、英国からの入国停止措置を12月31日から2週間延長したほか、変異種が報告された国から入国した者に対して厳格な隔離措置をとりPCR結果が陰性でも14日間の隔離を徹底すること、それ以外の国についても今後変異種の市中感染が認められた場合には渡航制限を検討することが決定されました。
●本日の大統領報道官記者会見も含め、現時点では日本に対する措置は言及されていませんが、今後変異種の広がりによっては予告なく変更される可能性は否定できませんので、最新情報に引き続き注意してください。
【本文】
1 12月26日、フィリピン政府は、英国で発生した変異種事案を受けて、今後の対応について大統領と医療専門家・IATF閣僚の会合が開催したところ、概要は以下のとおりです。
(1)ドゥケ保健長官から、変異種は70%感染率が高いが、よりひどい症状を招くとの報告はなくワクチンにも影響はないと見られている。環太平洋諸国で変異種が報告されたのは豪、香港、シンガポール、日本。現状では、フィリピンでは変異種は報告されていない。地方行政(DILG及びLGU)は海外からの渡航者が14日間の隔離措置を着実に実施しているか検疫施設や入国者の自宅をよくモニターする。国内の変異種監視システムの強化も必要であるとの発言あり。
(2)大統領から、フィリピンにおいても変異種の感染数が発生・増大し、国内の医療受入体制では対応しきれなくなった場合、対応策を見つけるまで強固なロックダウンを課すべきかにつき質したところ、ガルベス大統領顧問らからは、水際対策、検疫・隔離措置を強化すべきとし、ロックダウンを課すにしても基準値の設定等が必要であると発言した。大統領は、ロックダウンは可能性の一つに過ぎないが、変異種感染者数の増大し、それに対応しきれない等の事態が生じた場合は、我々はロックダウンに戻らなければならないと発言した。
他方で、医療専門家は、6月により感染力の高い変異種が当地に流行した際にも我々は対応できており、今回もロックダウンをせずとも対応可能との見解を示した。
(3)IATF専門家チーム:アレハンドリア医師から、英国または感染が確認された国から入国したものはトランジットのみであっても14日間の隔離を徹底することを推奨するとの発言があり、それに大統領は賛成した。
(4)大統領は、変異種の危険性を最大限警戒しなければならず、IATFとは別に医療専門家で構成された変異種に特化した対策会議を設けることを提言した。
(5)ドゥケ保健長官及びロケ大統領報道官から、(i)変異種が報告された国から入国した者に対する厳格な隔離措置、PCR結果が陰性であろうと14日間の隔離を徹底、(ii)変異種の市中感染が認められた場合のみ、対象国の渡航制限を検討、(iii)12月31日までの英国からの入国停止を2週間延長すべきとの提言がなされ、大統領は承認した。
(6)スールー州知事は、マレーシア・サバ州で変異種が報告されたことを受けてIATFに援助を要請した。IATFはサバ州からの入国を禁止予定である。(注:WHOより同変異種は英国のものとは異なり、南アや豪で発見された変異種に類似していることが報告された。)
(7)1月から感染の低い地域で対面式授業を試験的に再開する許可を出していたのを取り消すとし、ブリオーネス教育長官も取り消しを承諾した。
2 28日および本日のロケ報道官定例記者会見では、14日間の隔離措置義務の対象国として豪・香港・シンガポールが言及され、日本は含まれませんでしたが、12月17日に発表された9(g)(一般就労)ビザを保有する外国人ビジネス関係者のフィリピン入国緩和措置が取りやめられる可能性を含め、今後フィリピン政府はどのような措置を行うかは予測できない状況ですので、最新情報に引き続き注意してください。
在留邦人及び短期渡航者の皆様におかれては、感染予防に万全を期すとともに、コミュニティ隔離措置、感染状況、医療事情、航空便、入国に係る規制(検査・検疫措置を含む。)等に関する最新情報に引き続き注意してください。
●ドゥテルテ大統領他会合(12月26日)変異種関連
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【以下、新型コロナウイルス関係参考サイト】
●大統領府及び新興感染症に関する省庁間タスクフォース(IATF)
(フィリピン政府新型コロナウイルス感染対策ウェブ・サイト)
https://www.covid19.gov.ph/
(12月14日改定「フィリピンにおけるコミュニティ隔離措置に関するオムニバス・ガイドライン」)
https://www.officialgazette.gov.ph/2020/12/14/omnibus-guidelines-on-the-implementation-of-community-quarantine-in-the-philippines-with-amendments-as-of-december-14-2020/
●フィリピン保健省
(フィリピン入国の際の検査・検疫措置に関する5月1日付けメモランダム(在大阪フィリピン海外労働事務所のウェブ・サイトに掲載されているもの))
https://poloosaka.dole.gov.ph/news/doh-department-memorandum-no-2020-0200/
(職場復帰に係る暫定ガイドライン)
https://www.doh.gov.ph/sites/default/files/health-update/dm2020-0220.pdf
(保健省ホットライン)
・マニラ首都圏在住者専用医療相談ホットライン:(02) 8424-1724 又は (02) 7798-8000
・新型コロナウイルス感染症ホットライン:(02)8942-6843 又は 1555(注:後者は4 桁のみでつながります。)
(フィリピンにおける感染状況、検査実施状況、医療状況等)
https://www.doh.gov.ph/covid19tracker
(注:地域を選択すると、特定地域のデータが表示されます。)
●フィリピン貿易産業省及びフィリピン労働雇用省
(職場におけるCOVID-19の予防と管理に係る暫定ガイドライン)
https://dtiwebfiles.s3-ap-southeast-1.amazonaws.com/COVID19Resources/Issuances+from+other+agencies/010520_DTI_DOLE_Guidelines_Workplace_Prevention_Control_COVID19.pdf
●フィリピン貿易産業省
(ビジネス継続計画ガイド)
http://www.bps.dti.gov.ph/index.php/press-releases/24-2020/219-dti-bps-releases-business-continuity-guide
●フィリピン教育省
(2020-2021年のフィリピン公立学校の進学登録手続きに関するガイドライン)
https://www.deped.gov.ph/2020/05/28/do-008-s-2020/
(2020 - 2021年度の基本教育学習継続計画に関するガイドライン)
https://www.deped.gov.ph/2020/06/19/june-19-2020-do-012-2020-adoption-of-the-basic-education-learning-continuity-plan-for-school-year-2020-2021-in-the-light-of-the-covid-19-public-health-emergency/
(2020-2021年度の学校カレンダーと活動に関するガイドライン)
https://www.deped.gov.ph/wp-content/uploads/2020/05/DO_s2020_007.pdf
●フィリピン観光省
(観光省地域オフィス連絡先)
http://www.tourism.gov.ph/key_officials.aspx
(注:国際空港へのアクセスが困難な外国人へのフィリピン政府による支援については、在フィリピン日本大使館ホームページ【3/20付 領事班からのお知らせ】https://tokyo.philembassy.net/ja/01announcements/advisory-visa-requirements-for-foreign-nationals-allowed-to-enter-the-philippines-while-under-community-quarantine/#nav-cat も参考にしてください。)
(観光省フェイスブック)
https://www.facebook.com/DepartmentOfTourism/
(注:営業中のホテル等についての情報も掲載されています。)
●フィリピン入国管理局
https://www.facebook.com/officialbureauofimmigration/
http://immigration.gov.ph/
(10月25日付けアドバイザリー:入国できる外国人の緩和等)
https://immigration.gov.ph/images/News/2020_Yr/10_Oct/2020Oct25_Press.pdf
(8月25日付けアドバイザリー:外国人配偶の入国)
https://immigration.gov.ph/images/News/2020_Yr/08_Aug/2020Aug25_Press.pdf
(5月29日付けアドバイザリー:オンライン予約制の導入)
http://www.immigration.gov.ph/images/Advisory/2020/05_May/2020May29_advisory.pdf
(5月29日付けプレス・リリース:一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)下のニノイ・アキノ国際空港における渡航の制限)
http://immigration.gov.ph/images/News/2020_Yr/05_May/2020May29_Press.pdf
●フィリピン国内移動プロトコール・フローチャート
(マニラ国際空港庁(MIAA)ウェブ・サイト)
(州等の内部移動に関するプロトコール・フローチャート)
https://www.facebook.com/MIAAGovPh/photos/pcb.1650606908438413/1650605995105171/?type=3&theater
(州等をまたぐ移動に関するプロトコール・フローチャート)
https://www.facebook.com/MIAAGovPh/photos/pcb.1650606908438413/1650606015105169/?type=3&theater
●マニラ国際空港庁(MIAA)
(搭乗時にPCR検査の陰性証明書の提示が求められる国・地域)
https://www.facebook.com/401384246694025/posts/1679223228910114/?extid=CSJ68xln34zscafw&d=n
(注:邦人の日本入国時には、PCR検査の陰性証明書は不要です。)
●在フィリピン韓国大使館
(7月16日付ノーティス:搭乗時にPCR検査の陰性証明書提示が必要)
http://overseas.mofa.go.kr/ph-en/brd/m_3272/view.do?seq=760721
●フィリピン航空
https://www.philippineairlines.com/ja-jp/jp/home
●セブ・パシフィック
https://www.cebupacificair.com/ja-jp
●エア・アジア
https://www.airasia.com/ja/jp
(問い合わせ窓口)
○在フィリピン日本国大使館
住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City,Metro Manila
電話:(市外局番02)8551-5710
(邦人援護ホットライン)(市外局番02)8551-5786
FAX:(市外局番02)8551-5785
ホームページ: http://www.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在ダバオ日本国総領事館
住所:4th Floor, B.I. Zone Building, J.P. Laurel Avenue, Bajada, Davao City 8000
電話:(市外局番082)221-3100
FAX:(市外局番082)221-2176
ホームページ:https://www.davao.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在セブ領事事務所
住所:7th floor,Keppel Center,Samar Loop cor. Cardinal Rosales Ave.,Cebu Business Park,Cebu City
電話:(市外局番032)231-7321
FAX:(市外局番032)231-6843