更新日:2024.03.11
ラマダン(Ramadān:断食月)はいつ?
ラマダンとは断食を行う神聖月で期間は毎年異なります。
ラマダン(ラマダーン)の期間はイスラム暦(ヒジュラ暦)の為、太陽暦にすると毎年同じ日にはなりません。
またラマダンの始まりは、月の観測で新月から三日月になるのが必要だとする国もあるため国によって期間が異なることもあります。
ラマダン終了後には約3日間「イード・アル・フィトル」と呼ばれるラマダン明けの祭りが行われます。
西暦 |
イスラム暦 |
開始日 | 終了日 |
2015年 | 1436年 | 6月18日 | 7月16日 |
2016年 | 1437年 | 6月06日 | 7月05日 |
2017年 | 1438年 | 5月27日 | 6月24日 |
2018年 | 1439年 | 5月16日 | 6月14日 |
2019年 | 1440年 | 5月06日 | 6月07日 |
2020年 | 1441年 | 4月24日 | 5月23日 |
2021年 | 1442年 | 4月13日 | 5月12日 |
2022年 | 1443年 | 4月1日 | 5月1日 |
2023年 | 1444年 | 3月22日 | 4月20日 |
2024年 | 1445年 | 3月11日 | 4月9日 |
イスラム暦(ヒジュラ暦)
純粋太陰暦であるイスラム暦(ヒジュラ暦)は、閏月による地球が太陽を回る周期との補正を行わず、一ヶ月が29日の月と30日の月を交互に繰り返していきます。
従って1年間が354日となるので、1年ごとに11日ほど太陽暦とずれて行きます。
およそ33年で季節が一巡するため、「ムスリムは同じ季節のラマダンを人生で2度経験する」と言われています。
ラマダンとは
ビジュアラ暦の第9月の事で、このラマダンの間は、イスラム教徒の五行のひとつである「断食(サウム)」が行われます。
◎イスラム教徒の五行
1)信仰の告白(シャハーダ):神を信じることを声に出す
2)礼拝(サラート):1日5回お祈りをする
3)喜捨(ザカート):富める者は貧しい者に与える
4)断食(サウム):ラマダン月は日中の飲食を絶つ
5)巡礼(ハッジ):一生に一度は聖地に行く
断食は飲食物の摂取量を減らすことが目的ではなく、あくまで宗教的な試練として10歳以下の子どもや妊婦、病人を除くイスラム教徒に課せられます。
この約一ヶ月間は完全に絶食すると言うわけではなく、日の出ている間は水分程度の補給に控え、日没から日の出までの間に一日分の食事を摂る決まりになっています。
ラマダン中は夜食が盛大になり通常より食糧品の売れ行きが良くなるといわれています。
また、喫煙、性行為、けんか、不適切な言動も日の出から日没の間は禁止されています。
ラマダン期間中の注意事項
お互いに相手の宗教に敬意を払うという気持ちが大切です。
非イスラム教徒も断食中のイスラム教徒の面前での飲食・喫煙を控えるのが礼儀とされています。
目につく形で日中に飲食する場合は,一言断る程度の配慮が必要です。
国によっては外国人や非イスラム教徒であっても公共の場における飲食や喫煙を禁止している場合もございますのでご注意ください。
ラマダン期間中、イスラム教徒にはアルコールが販売されません。
大きなホテルの場合、旅行者にのみ提供されます。
仕事は平常どおりにするのが義務とされておりますが,大半の商店、銀行、企業の営業時間が短縮され、9 時~14 時までとなります。
ラマダン期間中は交通事故が増加する傾向にあると言われています。
空腹や交通渋滞によりイライラが募り、交通事故等のトラブルが増えやすい傾向にあるので外出時に注意が必要です。
近年ラマダン月及びその前後の期間に世界中で多数のテロ事件が発生しています。
渡航の際は多くのテロが発生していることを認識して,対策をとってください。
特に金曜日はイスラム教徒の集団礼拝日であり、モスク等宗教施設や群衆を狙ったテロや襲撃が行われることがあります。
ラマダン時期にテロが増える理由の一つは過激派にとって寄付が最も多く集まる時期だからと言われています。
寄付は喜捨(ザカート)と呼ばれ、イスラム教徒の五行の一つで生活に必要な分を除き、持っている財産の2.5%を寄付をすることになっています。
特にラマダン期間中の寄付は功徳が高いと言われているため、多くのお金が動きます。
イスラム過激派は、こうした寄付によって成り立っているため、寄付の多く集まるラマダン月にテロなど目立ったことを行うことで、より多くの寄付を集めようという狙いがあります。
ビザ申請時の注意
ラマダン期間中イスラム諸国大使館ではビザ申請・受領の受付時間を短縮することがあります。
またラマダン明けは多くのイスラム諸国大使館が休館となります。
ラマダン明けは月の満ち欠けにより決まるため、間際の休館発表となる大使館もありますのでビザの申請は日程に余裕を持って行って下さい。