2020.03.17
南アフリカ 国家的災害事態を宣言
●16日現在,南アでは累計62名,エスワティニでは1名の感染が確認されておりますが,レソトでは感染は確認されていません。なお,NICDによると南ア国内での感染事例疑い2例を調査中とのことです。
●15日,ラマポーザ大統領は,新型コロナウイルスに関わるWHOのパンデミック宣言,南アの感染者数の増加に伴い,国家的災害事態を宣言し,今後「災害対処法」に基づき各種対策を行う旨発表しております。
詳細は,こちら( https://www.za.emb-japan.go.jp/files/100022167.pdf )を参照してください。
●南ア,エスワティニ,レソトの各国政府の取り扱いは以下1,2,3のとおりです。
●事態は刻々と変化しますので,最新情報の入手に努めてください。
1 南ア政府の対応
(1)南アフリカでは,16日現在,62名の感染を確認しています。全ての患者は感染流行国に旅行歴がある人々です。なお,NICDによると国内感染例疑い2例を調査中とのことです。
【参考】16日現在 累計62名
・ハウテン州 31名
(新規7名で,スペイン,オーストリア,印,米,仏,英,ドバイ,メキシコ等の旅行歴あり)
・西ケープ州 16名(新規2名で,カナダ,仏に旅行歴あり)
・クワズールー・ナタール州 12名
・ムプマランガ州 2名(新規1名で,仏に旅行歴あり)
・リンポポ州 1名
(新規1名で同州内初の事例。仏,オランダに旅行歴あり)
なお,14日午前,中国・武漢に滞在していた南ア市民114名がチャーター機によりリンポポ州ポロクワネの空港に到着・帰国しました。現在,ポロクワネのホテルで自己検疫されていますが,軽度の咳の症状があったのは2名だけで,発熱や他の症状はみられないとのことです。なお,武漢在住の南ア市民を送還する前に,武漢内で検疫を実施している由です(4人は症状があったためチャーター機には搭乗できなかった由です)。
(2)15日,ラマポーザ大統領は,新型コロナウイルスの感染者増加及びWHOのパンデミック宣言を踏まえて,国家的災害事態を宣言し,今後「災害対処法」に基づき各種抜本的対策を実施する旨発表しました。
●外国人に対する南ア出入国規制関連の概要は以下のとおりです。(現時点において日本は,南ア政府が定義する高・中リスク国には含まれていません)
・高リスク国(イタリア,イラン,韓国,スペイン,ドイツ,米国,英国,中国)からの南アへの渡航禁止(3月18日から)及びこれらの渡航者に対するビザを本日から取り消し,以前に発給されたビザも無効(3月15日付)。
・過去20日間に高リスク国を訪れた全ての外国人の南アビザ発給を拒否,中リスク国(ポルトガル,香港,シンガポール)からの全ての渡航者は強化高度スクリーニングを実施。
・2月中旬から高リスク国から南アに入国した全ての者は,検査のため自ら申し出ることが求められる。
・ORタンボ(ヨハネスブルグ),ケープタウン,キングシャカ(ダーバン)の各国際空港での検疫強化
・南ア市民のEU諸国,高リスク国への経由を含む渡航自粛を要請(即時)
・3月16日から,53カ所の陸上入国地点のうち35カ所を閉鎖。
https://sacoronavirus.co.za/2020/03/16/south-african-closures-due-to-covid-19/
・8カ所の海港のうち2カ所(Mossel Bay, Saldanha)を乗客乗員の交代のために閉鎖。
●他に南ア生活上関係する内容は以下のとおりです。
・不要不急の国内移動,特に飛行機,鉄道,タクシー,バス移動をしないよう呼びかけ
・100人以上の集会禁止(やむを得ず小規模集会を開催する場合は,主催者は予防及びコントロールのための厳格な措置を講じる必要がある。)
・学校は3月18日からイースター休暇(注:4月13日)明けまで休校
・ウィットウォータースランド大学の学生が新型コロナウイルス陽性と確認されたため,当該学生と接触した人々は検疫の対象となる。
・頻繁な手洗い,咳エチケット,握手よりも肘での挨拶を推奨。
・全ての矯正施設への訪問を30日間停止。
(3)南ア当局は,空港において渡航者に対して到着時の機内,パスポート・コントロール,到着ロビー等でサーマル・スキャナー及び携帯型サーマル・メーターによる検査を実施しています。現時点においては,日本からの渡航者は(新型コロナウイルス感染)中・高リスク国には指定されていませんが,原則的には全ての乗客に質問票が配布され,発熱検査を実施し,特有の症状,渡航歴等踏まえてスクリーニングが行われ,感染疑いがあると判断されれば,さらなるアセスメントが実施されます。
新型コロナウイルスの疑いと判断され,PCR検査等が必要と判断されれば指定病院等に搬送され,検査入院手続き,検体採集が行われ,NICD(国立感染症研究所)に送られます。なお,検査・入院は外国人の場合は有料で入院手続き前にデポジットの支払いが求められる場合があります。その後,陽性であれば隔離入院となります。なお,PCR検査は,事前にスクリーニングが行われて感染疑いがある場合のみ検査が行われます。また,隔離は指定病院や私立病院で行われます。また,新規感染確認後に行われる濃厚接触者の追跡調査で対象となった場合には,スクリーニングや検査を指示されたり,自宅等で検疫(14日間または21日間)が行われたりする場合があります。
(4)NICDは,旅行後に咳,発熱,息切れの呼吸器疾患の症状がある場合は,以下のホットラインに連絡するよう呼びかけています。
●救急ホットライン:0800029999
●What’s Appサポートライン:0600123456
(5)主な指定病院は,以下のとおりです。
*以下は公立の指定病院ですが,公立病院よりも比較的設備が整った在留邦人の方がよく利用されるNetcare系やMediclinic系の病院は受け入れ可能とのことです。
なお,新型コロナウイルス感染が疑われる場合には,まずは上記(4)のNICDホットラインや個別に病院に電話等でご確認が必要です。
【公立の指定病院】
・Charlotte Maxeke Johannesburg Academic Hospital
(ハウテン州ヨハネスブルグ)
・Steve Biko Academic Hospital(ハウテン州プレトリア)
・Greys Hospital(クワズールー・ナタール州ピータマリッツバーグ)
・Addington Hospital(クワズールー・ナタール州ダーバン)
・Ngwelezana Hospital(クワズールー・ナタール州エンバンゲニ)
・Manguzi Hospital(クワズールー・ナタール州マングジ)
・Tygerberg Hospital(西ケープ州ケープタウン)
・Livingston Hospital(東ケープ州)
・Polokwane Hospital(リンポポ州)
・Pelonomi Hospital(フリーステート州)
・Rob Ferreira Hospital(ムプマランガ州)
・Kimberley Hospital(北ケープ州)
・Klerksdorp Hospital(北西州)
(6)現在南ア国内ではマスク,(特に重要な)アルコール消毒液は調達が難しい状況で,在庫がない状況ですが,薬局やメーカーに逐次ご確認ください。
2 エスワティニ政府の対応
15日,エスワティニでは1例の感染が確認されましたが,現時点においては,エスワティニ政府が感染国からの渡航者を入国拒否する取り扱いを行っているとの情報はありません。エスワティニ保健省は以下を呼びかけています。
(1)咳エチケット,手洗いの励行。
(2)バスや人が多く集まる室内の窓を開けて換気。
(3)発熱,咳及び息苦しさ又は風邪類似の症状があり,かつ旅行歴がある場合には医師の診察を受け,旅行歴を詳しく報告する。
(4)新型コロナウイルス感染流行国に旅行した後は自己隔離を行う(注:保健省は,自己隔離とは,旅行や濃厚接触によりウイルス感染が疑われる場合に,公共の場に出ることを控えることを意味し,期間は最大2週間としています。)。
3 レソト政府の対応
13日現在,レソトでは,新型コロナウイルス感染症例は確認されておらず,感染流行国からの渡航者に対して入国拒否する取り扱いを行っているとの情報はありませんが,レソト政府は,新型コロナウイルスに関する対応としてこれまでに以下を公表しています。
(1)生命に関わりかつ回避不能な例外的な場合を除き,全てのレソト政府関係者による海外渡航の中止。
(2)レソト国内における全ての国際会議及び行事の一時的な中止。
(3)全ての入国港における健康管理対策(検温,疑い例の検疫)の導入による検疫強化,感染確認患者の隔離施設の準備。
4 一部の国・地域では,日本からの渡航者に対して入国制限を行っている国や地域がありますので,渡航される場合には最新の情報を現地政府機関,日本外務省,日本大使館等から入手してください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html
(新型コロナウイルスに関する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)
5 日本では,海外からの渡航者に対して水際対策を抜本的に強化しておりますので,帰国や一時帰国の際には下記をご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00098.html
(これから海外から日本へ来られる方へ,これから海外へ行かれる方へ)。
6 引き続き,以下の点に留意し,日頃から感染症の感染予防に努めてください。
・急激にウイルスに感染したとみられる方との接触を避けて下さい。
・頻繁な手洗い,可能であればアルコール手指消毒剤も使用してください。
・咳やくしゃみなどの症状がある場合は咳エチケットを行ってください。
・通常の風邪とは違う,と感じたら医療機関に電話で相談の上,受診してください。
【問い合わせ先】
在南アフリカ日本国大使館
HP:http://www.za.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
住所:259 Baines St, Cnr Frans Oerder St, Groenkloof, Pretoria
電話:+27 12 452 1500 領事・警備