2015.01.11
モロッコ:安全情報-エボラ出血熱に関して
平成27年1月6日
在モロッコ日本国大使館より
エボラ出血熱及びモロッコにおけるエボラ出血熱対応策に関し、当館で把握している情報は以下のとおりです。ご参照ください。 なお,1月6日現在,モロッコにおいて発症例は報告されていません。
在留邦人の皆様におかれましては、引き続き、当館ホームページ及び外務省・海外安全ホームページや報道等によりエボラ出血熱に関する正しい知識と最新の情報入手に努めてください。 モロッコ保健省はエボラホットラインを設け、一般からの問い合わせを受けています。
【 モロッコ保健省エボラホットライン 電話番号: 080-100-4747 】
【 モロッコ保健省ホームページ www.sante.gov.ma/pages/ebola.aspx 】
1.エボラ出血熱(エボラウイルス疾患Ebola Virus Disease、以下EVD)とは
(1)病因
EVDはフィロウイルスによる感染症です。 1976年にスーダンとコンゴ民主共和国で初めて流行し、発見されました。その後も中央アフリカ諸国でしばしば流行が確認されています。西アフリカでの発生は初めてです。
(2)感染経路
患者の血液・体液等(排泄物・吐物等も含む)に直接接触することにより、あるいはそれらに汚染された衣類や寝具にふれることで感染します。重症例では汗からも感染します。感染者の遺体も感染源です。 ただし幸いなことに、ウイルス自体の感染力は弱く、空気感染もありません。また、潜伏期間中の患者からは感染しません。"No fever, No danger (熱が無ければ 危険はない)"
(3)症状・診断
感染後、2日〜21日の潜伏期間(通常7日程度)を経て発症します。 突然の発熱、疲労感、筋肉痛、頭痛、咽頭痛で発症し、その後嘔吐・下痢・肝腎機能の低下が見られます。さらに重症化すると出血を認める例(約10%)もあります。 発症初期の症状はマラリア・腸チフス・髄膜炎等と似ているので鑑別が必要です。 確定診断は、血液検査による血中抗原の検出・ウイルス遺伝子検出(PCR法等)・抗体測定等によります。
(4)治療法
特異的な治療法は無く、対症療法のみとなります。予防ワクチンと治療薬は現在開発中です。
2.在留邦人の皆様におかれましては、感染を防ぐため以下の点にご注意ください。
(1)EVD患者(疑い例を含む)や患者ご遺体の血液・体液・排泄物・吐物等には決して直接触れないで下さい。
(2)発熱等があり体調不良を訴えている人には不用意に近づかないで下さい。
(3)日頃からアルコール消毒や石鹸を使った十分な手洗いを習慣にして下さい。
3.EVDに関し,1月6日現在のモロッコでの状況は以下のとおりです。 12月11日現在、モロッコ国内ではEVDの発生は報告されていません。 モロッコ保健省によると、EVDの侵入を防ぐため、以下の対応策を実施しています。
(1)西アフリカ諸国等との空路・海路・陸路での交通の拠点となるカサブランカやダフラ等の空港・港や国境関門等では厳しい検疫態勢を敷いています。
(2)流行国(ギニア・シエラレオネ・リベリア・マリ)からの入国者に対し、21日間(最長の潜伏期間)、電話による健康状態確認を毎日実施しています。
なお,西アフリカ諸国,米国及び英国スコットランドにおける発生・流行状況については,海外安全ホームページの広域情報をご参照ください。 (海外安全ホームページ:スポット情報・広域情報発出履歴)
(参考情報)
○厚生労働省 : 「エボラ出血熱について」
○厚生労働省検疫所/FORTH : 「西アフリカでエボラ出血熱が発生しています」
○国立感染症研究所 : 「エボラ出血熱とは」
○国際保健機構(WHO) : Ebora response roadmap(英文)
○WHO African Region : EPR Outbreak News(英文)
○外務省海外安全ホームページ: 感染症(新型インフルエンザ等)関連情報