2014.11.24
マダガスカルにおけるペスト発生について
2014年11月24日発出
在マダガスカル日本国大使館より
当地新聞等でも報じられていますが、21日、世界保健機関(WHO)はマダガスカルにおけるペスト発生について発表し、現状ではマダガスカルへの渡航制限を行う段階ではないものの、今年は8月31日の最初の症例発生後、11月16日までに国内7地方16郡において、疑い例を含み119件の症例が発生し、そのうち40人の患者が死亡したと注意を呼びかけています。 特に多くの感染者が発生している場所は、以下の通りです。
・Bongolava地方Tsiroanomandidy(首都アンタナナリボ中心部より約150km西)
・Itasy地方Miarinarivo(首都近郊、同約50km西)
・Analamanga地方Ankazobe(首都近郊、同約50km北)
・Analamanga地方Ambohidratrimo(首都近郊、同約20km北)
・Vakinankaratra地方Betafo(アンチラベ近郊、首都より約200㎞南)
・Amoron'i Mania地方Manandriana(アンボシチャ近郊、首都より250㎞南)
ペストはペスト菌による感染症であり、一般的にはペスト菌に感染したネズミ等(げっ歯類)に寄生しているノミに刺されることで人に感染します。その後リンパ節で炎症が起こり、「腺ペスト」を発症します。さらに肺がペスト菌に感染した患者が発生した場合、飛沫感染により、人から人への感染が起こります。これが「肺ペスト」で、重篤な症状に進展します。
ペストの予防策としてネズミがいるような不衛生な場所へは行かないこと、ノミに刺されないよう注意することが重要です。また、感染が疑われる者との接触は極力避け、手洗い・うがいを励行することで良好な衛生環境の維持に努めてください。
これまで開発されたペストワクチンは、副作用が強く一般的に使用されていませんが、ペストの治療には抗生物質が有効であり、早期に治療を開始することで治癒が可能な病気です。突然の発熱、頭痛、悪寒、激しい倦怠感、リンパ節腫脹、血痰を伴う咳などの症状が見られた場合には、直ちに信頼のおける医療機関で受診してください。 また、今後も引き続き新聞、ニュース、インターネット等からの情報収集に努めて頂き、引き続き自らの身体の安全の確保に留意してください。