2014.11.11
ポルトガル(ヴィラ・フランカ・デ・シーラ市)でのレジオネラ感染症事案について
在ポルトガル日本国大使館より
平成26年11月10日
先週末来、リスボン近郊のヴィラ・フランカ・デ・シーラ市(リスボンより北東)及びロウレス市(リスボンより北西)でレジオネラ感染症事案が発生しております。10日午前9時現在において死者5名(うち1名はレジオネラ感染が疑われている)、感染者が180名と報道されてます。
レジオネラ感染症は、倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛、高熱(38度以上)、胸痛等の症状を伴います。(レジオネラ症について、詳しくは、末尾の(注)を参照下さい。)
レジオネラ肺炎は、人から人へ感染する疾患ではありませんが,症状からのみでは他の細菌性肺炎等と区別が困難であるため、上記のようなレジオネラ肺炎の症状が見られる場合には、医師の診断に加え、自身の行動歴(公衆浴場等への往訪歴等)を併せて伝えるようにしていただくことで、誤診を防ぐのに役立ちます。
ポルトガル保健局長は、週末に行われた記者会見にて、感染源を究明中としつつも、予防策として感染発生地域に対して感染源が特定されるまではシャワー、ジャグジー、水流マッサージなどを控えるように求めるとともに、シャワーヘッドの洗浄やお湯タンクの温度を75度以上に設定することを勧めております。
ポルトガルに滞在中の皆様(特に当該地域に居住又は公衆浴場等の施設を利用されている方)におかれましては、今後のポルトガル政府の発表や関連報道に留意下さい。
(注)レジオネラ症とは国立感染症研究所及び厚生労働省サイトによれば、・レジオネラ肺炎は、レジオネラ属菌を包んだエアロゾル(循環水の微粒子)を吸入することにより起こる気道感染症です。シャワーやジャグジー、エアコンの送風口などを通じてレジオネラ菌を含んだ水微粒子を吸い込むことにより感染する例があります。なお、人から人へは感染しないため、発症者を隔離する必要はありません。
・レジオネラ菌は、レジオネラ肺炎とポンティアック熱の二つの病気を引き起こす可能性があり、前者は腎不全や多臓器不全を引き起こし死亡するケースもあります(ポンティアック熱は自然治癒することが多い)。レジオネラ肺炎は、2〜10日(平均4〜5日)の潜伏期を経て発病し、悪寒、高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛などが起こり、呼吸器症状として痰の少ない咳、少量の粘性痰、胸痛・呼吸困難などが現れ、症状は日を追って重くなっていき、腹痛、水溶性下痢、意識障害、歩行障害を伴う場合もあります。
※国立感染症研究所ウェブサイト:
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ra/legionella/392-encyclopedia/530-legionella.html
※厚生労働省ウェブサイト:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei25/
在ポルトガル日本国大使館
領事班