2014.06.14
シンガポール:テング熱流行に関する注意喚起
在シンガポール日本国大使館より
http://www.sg.emb-japan.go.jp/index-j.html
テング熱とは
日本では馴染みのない名前の感染症ですが、マラリアと同様にアジアや太平洋諸島など熱帯亜熱帯地域に広く分布するウイルスによって引き起こされる感染症です。マラリアと異なり、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は空き缶などに溜まった水等でも発生するために都会で流行することも多いので、感染する危険性は高く、死に至るケースもあります。昨年シンガポールでは、7名の方がデング熱を原因として亡くなっております(本年は現在のところ、死亡事案は確認されておりません)。
シンガポールにおける最近の発生状況
現在のシンガポールにおけるデング熱発生件数(6月1日-6月7日)は461件となっており、大流行した昨年と比べる少ないが、例年よりも高い状況が続いています。また、例年は、これからの時期に増加しますので、今後数週間は、特に注意が必要です。
(発生場所)
デング熱の集団発生箇所については、シンガポール東寄りの地域で多い傾向が見受けられます。
症状・治療方法
(症状)
3〜15日(通常5〜6日)の潜伏期を経て,突然の発熱で始まります。38〜40度程度の熱が5〜7日間続き,激しい頭痛,眼窩後部痛,関節痛,筋肉痛,発疹(風疹と同じような小さな紅斑で,かゆみや痛みはありません)を伴います。通常,症状が現れてから自然軽快するまでの期間は7日間前後です。なお、特別な治療を行わなくても重症に至らない場合が多く,死亡率は1パーセント以下であると言われています。
(治療方法)
デング熱には現在の特効薬がなく,症状に応じた対症療法が基本で、脱水予防に経口による水分補給や点滴補液療法が重要となります。発熱が3日以上続いた場合は、医療機関への受診をお勧めします。また、感染が疑われる場合には,鎮痛解熱剤にはアセトアミノフェンを使用し、アスピリン系の使用は避けてください。※時折デング出血熱という重篤な病気に至ることがあります。デング出血熱は,口や鼻等の粘膜からの出血を伴い,死亡率の低いデング熱と異なり,通常でも10パーセント前後,適切な手当がなされない場合には,40〜50パーセントが死亡すると言われています。出血熱は発熱して2〜7日してから発症することが多いようですが,デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測ができません(大人よりも小児に多発する傾向があります)。
発症が疑われる場合は、医療機関へ受診ください。
予防方法
デング熱には予防接種も予防薬も現在のところなく,蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。デング熱を媒介するネッタイシマカ,ヒトスジシマカ等(活動するのは、夜明け少し前から日暮れまでの間(特に朝と夕方))は古タイヤの溝などのわずかな水たまりで繁殖するため都市部でも多くみられることを念頭に、①外出時は肌の露出を少なくこと、
②虫除けスプレー等の塗布、
③電気蚊取り器、蚊帳(かや)等の効果的な使用、
④抵抗力をつけること(規則正しい生活と十分な睡眠等)により、予防に努めてください。
(お問い合わせ先)
○ シンガポール政府公式HP(Campaign against Dengue)
直通Hotline: 1800-X-DENGUE (1800-933 6483) Email: dengue@nea.gov.sg
○ 在シンガポール日本国大使館 代表:6235-8855
(参考情報)
○Campaign against Dengue(シンガポール政府公式HP(英語))
http://www.dengue.gov.sg/
○ FORTH/厚生労働省検疫所「デング熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html
○ 国立感染症研究所「デングウイルス感染症情報」
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/dengue.htm