海外

2019.04.05

パキスタン ポリオに対する注意喚起

【ポイント】
○当国ハイバル・パフトゥンハー州とパンジャブ州、シンド州の一部地域で依然としてポリオ患者が確認されています。
○ポリオは感染力の強いウイルス性疾患で、麻痺を引き起こしたり死に至ることがあります。汚染された食べ物、水、あるいは感染した人との直接的な接触によって広まります。
○ポリオの予防接種を受けていることを確認し、感染を防いでください。

【本文】
1 パキスタンにおけるポリオの現状
・当国は、世界でポリオが常在する3ヵ国の中の1つです(残り2ヵ国はアフガニスタンとナイジェリア)。
・当国においては、2019年3月時点で既に6件(KP州4件、ラホール1件、カラチ1件)のポリオ症例が報告されており、ラホールでは7年ぶりの発生となりました(2017年は計8件、2018年は計12件)。
・下水の水質検査では、全ての州においてポリオウイルスが検出されており、ラワルピンディーやラホール、ファイサラバード等の主要都市においても検出されています。

2 ポリオについて(予防接種も含め)

(1)感染源
 ポリオは感染者(特に小児)の糞便や、ポリオウイルスに汚染された水や食物を口にすることで、腸の中で増え、感染します。

(2)症状
 感染しても90%~95%は無症状ですが、約1~2%に手足等の麻痺が現れ、永続的に後遺症が残る可能性があります。主に5歳以下の小児で起こります。成人が発症すると症状がより重篤となり、死亡する確率も高くなるといわれています。

(3)治療方法
 現在、特効薬などの確実な治療法はなく、麻痺に対しては、リハビリテーションが行われます。

(4)予防方法
ア 予防接種
 パキスタン政府は、同国に4週間以上の長期滞在者に対し、ポリオ予防接種を義務化しています。また、パキスタンを出国する際に、ポリオの予防接種証明書の提示を求められる場合があります。予防接種はパキスタンから出国する4週間から12ヶ月前までに受ける必要があります。医療機関の選定にあたっては、以下のサイトもご参照ください。

・外務省 海外安全ホームページ パキスタンの医療事情
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/pakistan.html

イ 感染予防
 以下のような感染予防策を常日頃より心がけてください。
・こまめに手洗いを行う。特に食事前やトイレの後は必ず手を洗う。
・飲料水や調理用の水はミネラルウォーターか浄水器を使用した水を使用する。
・高級レストランであっても、氷・生の果物・生野菜は避け、食べ物は十分加熱してから食べる。
・乳製品は殺菌処理されたもののみ飲食する。

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