2019.01.24
ナイジェリア ラッサ熱の発生
●ラッサ熱は,例年乾季に流行していますが,本年に入り,既に約60名のラッサ熱患者が発生しています。
●昨年は,患者数3,498名(疑い例含む),死亡者数91名と報告され,感染者は南部州に集中しており,アブジャ(FCT)では数名が感染しました。
●飲食物の加熱処理,感染者(または,発熱者等感染が疑われる者)に近づかない等,十分注意してください。
1 ラッサ熱発生の現状及び昨年の感染状況
(1)報道等によれば,現在8州(エボニ,エド,オンド,ナサラワ,タラバ,プラトー,バウチ,FCT)で約60名のラッサ熱患者が発生した由です。
感染者はエド州およびオンド州に多く,南部州に集中している傾向にありますが,アブジャ(FCT)でも感染者が出ています。
(2)昨年は「史上最悪ペースの発生」とされ,患者数3,498名(疑い例含む),死亡者数91名と報告されました。感染者は南部州(特にエド州及びオンド州)に集中しており,ラゴスでは確認されておりませんが,アブジャ(FCT)では,数名が感染しました。また,昨年は,医療機関での2次感染が問題となり,医師を含む複数の医療関係者が感染・死亡したため, NCDC(Nigeria Center for Disease Control. ナイジェリア疾病管理センター)から,感染対策の不備な医療施設は危険であるとの公式見解が出されましたので,そのような医療施設等には不用意に立ち入らないようにしてください。
(3)つきましては,ラッサ熱は死亡率の高い疾患となりますので,以下2を熟読の上,十分注意してください。
2 ラッサ熱について
(1)感染源
マストミスという野ネズミの排泄物から経口感染し,乾季の野焼きで野ネズミが拡散するため流行が起きるといわれている。感染したヒトからヒトへの直接接触による感染もある。
(2)症状
潜伏期間は6~21日間とされる。症状は発熱,倦怠感,頭痛,下痢,嘔吐,腹痛等があり,重症化するとショック・意識障害・全身からの出血等が生じる。感染者の80%は強い症状を示さないが,重症化した場合の死亡率は20%ほどと言われている(全体としての死亡率は1%ほど)。
(3)治療
基本的に対症療法となり,とくに下痢・嘔吐による脱水が致命的となるため,充分な補水,輸液が必要となる。治療薬としては,早期の抗ウイルス薬「リバビリン(Ribavirin)」に効果があるとされており,ナショナルホスピタルに在庫有り。
(4)感染予防
●飲食物の加熱処理を行う。(注)ナイジェリアでは「Garri」というキャッサバ加工食品が原因になっていると警告がなされました。
●感染者(または,発熱者等感染が疑われる者)には近づかない。
3 感染の疑いが見込まれる場合には,大使館(医務班)にご相談ください。
4 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet)
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)。
【問い合わせ先】
在ナイジェリア日本国大使館
電話:090-6000-9019/9099
大使館ホームページ:http://www.ng.emb-japan.go.jp/j/