2018.07.21
パキスタン総選挙投票日前後に関する注意喚起
【ポイント】
○7月25日(水)に総選挙が実施される予定。
○選挙戦期間中、パキスタン各地で選挙集会等を狙ったテロが発生。
○投票日だけではなく、投票日後にも、治安に関して特段の留意が必要。
【本文】
1 これまでに累次お知らせしているとおり、当国では、7月25日(水)に総選挙が行われる予定です。
2 7月1日からこれまでの間、当地メディアによれば、選挙に関連する以下のようなテロや事件が現在までに発生しています。
(1)7月1日,カラチ市リヤリ地区で,パキスタン人民党(PPP)のビラーワル・ブットー党首の車列に対し,100人近くの抗議者が投石や棒により攻撃しました。
(2)7月3日,ハイバル・パフトゥンハー(KP)州北ワジリスタン部族郡ラズマックにおいて,パキスタン正義党(PTI)の候補者の選挙事務所に対して手榴弾が投擲され,10名が負傷しました。
(3)7月7日,KP州バンヌー近郊において,宗教政党連合(MMA)の候補者の政治集会時に,会場近くのバイクに仕掛けられた即席爆発装置(IED)が爆発し,候補者を含む7名が負傷しました。
(4)7月10日,KP州ペシャワールにおいて,大衆民族党(ANP)の候補者の政治集会時に,自爆攻撃があり,候補者を含む21名が死亡し,65名が負傷しました。この事件についてはパキスタン・タリバン運動(TTP)が犯行声明を発出しました。
(5)7月13日、KP州バンヌにおいて、MMAの候補者の選挙集会付近で、オートバイを利用した自爆テロが発生し、4人が死亡、20人以上が負傷しました。
(6)7月13日、バロチスタン州マストゥングにおいて、選挙集会を狙った自爆テロが発生し、少なくとも149人が死亡、186名が負傷しました。この事件についてイスラム国(IS)が犯行声明を発出しました。
(7)7月15日、バロチスタン州チャマンで、ANPの事務所に対して発砲があり、数名が負傷しました。
(8)7月16日、パンジャブ州アトックにおいて、パキスタン・ムスリム連盟ナワズ・シャリフ派(PML-N)所属の候補者が乗車した車両が何者かに銃撃されました。
(9)7月17日、KP州カラックにおいて、無所属の候補者の選挙事務所が複数の抗議者によって攻撃されました。
3 現在までのところ、イスラマバードやラホールといった主要都市においては、今回の選挙に関連するテロや大規模な暴動等は発生していないものの、過去には、主要都市においても候補者間の対立による殺人等、暴力事案も発生したほか、2013年の総選挙時は、当日も含め、候補者や政党事務等を狙った爆弾テロ等の攻撃が発生するなど、治安が不安定化した経緯があります。
4 なお、選挙戦期間中は、市内に各政党の選挙事務所等が開設されています。また投票所所在地等については、当地の選挙管理委員会がホームページ
https://www.ecp.gov.pk/PrintDocument.aspx?PressId=55334&type=Text
を通じて公表しています。例年、投票所は各地域の学校内に設置される傾向にあるため、皆様ご自身の生活圏内に所在する学校の場所を事前に把握しておくことも、安全対策上大切です。
5 つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、同総選挙の投票日である7月25日のみならず、投票日後においても同選挙の結果を受けた国内政治情勢が落ち着くまでの間、パキスタン国内の治安状況を慎重に見極めた上で、以下の注意事項を参考にしていただき、安全に十分配慮した行動を心掛けるようお願いいたします。
(1)集会やデモが行われている場所には、決して近づかない。
(2)テロの標的となりやすい場所(政党事務所、投票所等選挙関連施設、軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。
(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。
(4)日頃から、自宅、勤務先等の近辺に、集会場所やデモ・テロ事件の標的となり得る可能性の高い場所や施設があるか、詳細を事前に把握しておく。
6 なお、上記注意点以外にも、当地で安全に滞在するための参考となる情報が以下のウェブサイトに掲載されておりますので、そちらもあわせてご確認下さい。
○ 当館ホームページ:http://www.pk.emb-japan.go.jp/indexjp.htm
○ 外務省海外安全ホームページ(パキスタン):http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_011.html#ad-image-0
○ 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い
海外渡航前には、万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにして下さい。3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html
また、3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/# 参照)
○ 緊急時の連絡先:051-9072500(在パキスタン日本国大使館代表)