海外

2018.05.08

在インドネシア大使館からのお知らせ(ラマダン)

●5月16日(水)頃より6月14日(木)頃まで、イスラム暦のラマダン(断食月)に入る予定です。イスラム教徒にとって神聖なラマダン期間中は、平素以上にイスラム教徒の習慣に配慮するようご留意ください。
●ラマダン期間中は、日頃にも増してテロへの警戒を怠らないでください。加えて、一般犯罪も増加する傾向にありますので、安全対策を怠らないことが肝要です。

インドネシアにお住まいの皆様、出張者および旅行者の皆様へ

平成30年5月7日(大18第17号)
在インドネシア大使館

1 ラマダン(断食月)及びレバラン(断食明け大祭)に注意すべき事項

(1)今年は5月16日(水)頃より6月14日(木)頃までイスラム暦のラマダン(断食月)に入る予定です(正式には宗教省が決定・発表)。イスラム教徒にとり神聖なラマダン期間中は、平素以上にイスラム教徒の習慣に配慮し、周りの人の感情を害さないよう自らの言動に十分注意することが必要です。

(2)ラマダン期間中は、日頃にも増してテロへの警戒を怠らないようにしてください。現時点において、具体的なテロ情報に接している訳ではありませんが、ここ数年ラマダン期間中テロが発生しています。そのため、特にテロの標的となりやすい場所(警察関連施設、宗教関連施設(寺院、教会)、デパートや市場など不特定多数の人が集まる場所、公共交通機関、ホテルなどの宿泊施設、ビーチ等のリゾート施設・観光施設、政府・軍関連施設、欧米関連施設等)やその周辺を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど自らの安全確保に努めてください

(3)レバラン(断食明け大祭)の祝日は、6月15日(金)及び16日(土)ですが、インドネシア政府は同祝日の前後にあたる11日(月)~14日(木)及び18日(月)~20日(水)を、これに続く休暇取得奨励日とすることを公表しています。なお、日本大使館は6月15日(金)~18日(月)まで休館となります。

インドネシア国民は、これに加えて更に前後の1週間程度、休暇を取得し帰省することから、この時期は、多数の人々が国内外への移動により、バス、フェリー、鉄道、航空便等公共輸送機関の混雑や幹線道路の大渋滞等が見込まれます。また、一般犯罪も増加する傾向にありますので、安全対策を怠らないようご注意ください。

(4)レバランに先立ち、私的使用人を含めた被雇用者に対して、レバラン手当(ボーナス/THR)を支給する習慣があります。一般的に、レバラン前は諸物価が上昇することから、レバラン開始の2~4週間前に支給することが望ましいようです。なお、私的使用人も1週間から10日間程度のレバラン休暇を取るのが一般的です。

(5)レバラン前における公務員による検査等

  過去の事例をみると、この時期、警察官や入管職員による調査・検問等で金銭を要求される等の事例が増加する傾向がみられます。

(過去事例1)入管職員によるパスポート及び身分証確認

 入管職員による日本人を含む外国人に対する滞在許可等の調査(事務所に立ち入るほか、飲食店などでも実施。主にパスポートやITAS(滞在許可)などのID原本の提示を求められ、パスポートの有効期限、滞在許可期限、登録住所、会社役職などについて不正などがないか調査するもの。)が行われており、その際、身柄が拘束される事案や、パスポート取り上げ、金銭の要求などの事案が発生。

(パスポートの原本所持に関しては、以下の当館お知らせもご参照ください。)
http://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase16_25.html

 

(過去事例2)警官による検問等

旅行者や出張者が空港へ向かうタクシー乗車中、警察の指示で停車させられ、ITASなどのID提示を求められ、パスポートを提示した上で、短期滞在者のためIDは所持していないと説明したが、IDの提示がなければ違法であるとして金銭を要求。航空機チェックイン時間などの時間的制約を見越して支払うまでしつこく金銭を要求してくる。

 

(過去事例3)空港入管職員や税関職員による罰金の不当な徴収

(i)入国の際、入管職員から入国印を押されず、そのまま入国し、出国の際にトラブルになる事案が発生。多くは金銭を要求される。
(ii)入国の際に、ホテル予約票等の提示を求められ、提示出来なかったところ金銭を要求された。
(iii)入国する際、荷物の中に課税対象品があるとして税金の支払いを要求され、支払いは荷物ポーターを通して行わせた。

(6)なお、インドネシア国外への旅行を予定されている方は、パスポートの有効期間が旅行満了日まで6ヶ月以上残っているか、再入国許可の有効期限は切れていないか等を確認の上、手続が必要な場合には通常より早めに申請されることをお勧めします。
 また、旅行先が日本を除くインドネシア国外のほか、国内旅行であってもインドネシア大使館の管轄外(バリ島など)である場合、「たびレジ」への登録もお忘れなきようお願いします。
たびレジ:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/
 大使館管轄区域:http://www.id.emb-japan.go.jp/conind_j.html

<入管及び警察による調査、検問への対策・注意事項>
多くの場合は適法な調査、検問であり、拒むことは困難ですが、自己防衛の観点から以下のような確認を行うことをお勧めします。ただし、相手が偽入管職員や偽警察官の場合、武装している可能性もありますので、身の安全を考慮して、決して挑発的な態度はとらないようご注意ください。

(i)入管職員や警察から調査・検問された際、担当係官の氏名、担当部署や白バイ・パトカーの車番などを確認する。
(ii)空港出入国の際、パスポートへの出入国印の押印の有無を確認する。また、事前にパスポートの残存有効期限、査証ページ数、滞在許可の残存有効期限などを確認しておく。
(iii)空港において入管や税関職員による金銭要求に対しては、領収書の発行を要求し、担当係官の氏名や部署などを確認する。

2 ラマダン(断食月)について(参考情報)

(1)ラマダンはイスラム暦の9月で、1か月間イスラム教徒の断食(プアサ)が行われます。断食はイスラム教では「信仰告白」、「礼拝」、「喜捨」、「メッカ巡礼」と並んで「五行」と呼ばれる信者の義務のひとつです。

(2)期間及び断食時間

○ラマダン:毎年約11日早まっていき、本年は5月16日(水)頃~6月14日(木)頃まで(予定)
○断食:夜明けの礼拝前から日没直後の礼拝まで(場所により時刻は異なりますが、ジャカルタでは午前4時30分前後から午後6時前後まで。)
 

(3)一般的な注意事項

○お互いに相手の宗教に敬意を払うという気持ちが大切です。
〇断食をしている私的使用人/従業員に対し、日々の断食が明けた直後に、喉を潤すための時間を(短時間であっても)与えるよう配慮が必要です。
○非イスラム教徒も断食中のイスラム教徒の面前での飲食・喫煙を控えるのが礼儀とされています。目につく形で日中に飲食する場合は、一言断る程度の配慮が必要です。
○仕事は平常どおりにするのが義務とされており、必要以上に遠慮することはありません。
○病人や妊婦・出産後・生理中の女性、旅行中などは断食を行わなくても構わないとされています。
○当地での生活ペースが大きく変わることになりますが、イスラム教徒にとっては通常月とは異なる期間であることに十分留意し、周囲の人、特に部下や使用人、その他立場の弱い人に多少の不行き届き等があっても、いつも以上に寛容な態度で臨むことが必要です。

(4)安全上の注意事項

○ラマダン期間中は、クラブ・ディスコ・マッサージ・カラオケ店等の営業が禁止または営業時間短縮となり、外国人でも警察の取り締まりの対象となりますので、こうした娯楽施設等に出入りする際には、特に十分な注意が必要です。
○レバラン前は、一般家庭では新しい洋服の購入、帰省の支度等に加え、物価も上昇するので出費がかさみます。例年、この時期には強盗・窃盗などの一般犯罪が増加する傾向にありますので、こういった犯罪に巻き込まれないように普段以上に周囲を警戒するなど注意が必要です。
○ラマダン期間中やレバランでは、警察による街頭での身分証明書の確認・手荷物検査等が厳重に行われる傾向にありますので、身分証明書類を常に携行するように心がけてください。
○家人が不在となる際は、「アパートスタッフなど住居関係者に対して、いかなる理由があっても第三者を勝手に部屋に立ち入らせないよう依頼しておく」、「現金や貴重品は目につくところに置かない」、「玄関、窓ガラス等各部屋の施錠を確実に行う」等を励行するようにしてください。

在インドネシア日本国大使館領事部
TEL 021-3192-4308
FAX 021-315-7156
○ 大使館ホームページ:http://www.id.emb-japan.go.jp/index_jp.html 

○ 大使館閉館中の緊急連絡(24時間対応)
    021―3192-4308(代表)
    (続けて、1(日本語選択)のあと、2(緊急の用件)をプッシュしてください。)

○ 外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp(携帯版

 

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