海外

2018.01.19

ベナンにおけるラッサ熱の流行

ベナンにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ
在ベナン日本国大使館

北部アタコラ県保健局によるラッサ熱に関する報告がありましたので,お知らせ致します。

1 ラッサ熱の流行状況

1月17日,北部アタコラ県保健局はラッサ熱の発生についての報告をしました。トーゴとの国境に近いブコンベでラッサ熱の疑いがある2人の患者が死亡,最初の患者はこの地域の住民であり,2人目はナイジェリアからチャウルを経由してトーゴ方面に移動途中で発症しました。現地の医師は症状からラッサ熱を疑い,検体をナイジェリアに送り検査中です。また,保健局は患者と接触した55人を特定して,健康状態を監視しています。

2 ラッサ熱について

(1)ラッサ熱とは

   ラッサウイルスの感染により引き起こされるウイルス性出血熱の1つであり,ナイジェリアを始めとして西アフリカ一帯に見られます。1969年にナイジェリア北東部のラッサ村で初めて確認されたことに由来します。ナイジェリアでは毎年500~600例の発症があり,その約10%が死亡しています。特に乾期に流行します。ベナンでは2014年,2016年,2017年に数例の発症がありました。

(2)感染経路

   マストミスというネズミの体内にウイルスが存在し,このネズミを触ったり,糞や尿によって汚染された食品を摂取することによってヒトに感染します。また,感染者の体液(血液や排泄物)が直接接触することによりヒトからヒトへ感染します。空気感染はありません。医療衛生環境が十分でない所では,院内感染の可能性がありますが,ベナンで院内感染の報告はありません。

(3)症状

   ラッサウイルスに感染した人の約20%がラッサ熱を発症すると推定されています。入院が必要な重症例での死亡率は約15~20%とされています。潜伏期間は6日から21日で,多くは発熱や倦怠感で発症し,頭痛,咽頭痛,胸痛,腹痛,嘔吐,下痢などの症状が現れます。重症化すると全身の出血をきたし,死に至ることがあります。

(4)治療方法

   ラッサ熱に対して有効なワクチンはなく,対症療法が行われます。抗ウイルス薬のリバビリンを,発症後早期に投与することで効果があるとされています。有効なワクチンはありません。

(5)予防方法

   ネズミを環境から駆除することは不可能ですが,ネズミを住居内に寄せ付けない配慮が重要です。密封容器で食料を保管する,住居内にゴミを溜めないようにする,清潔な住宅環境の維持をする,猫を飼うなどのネズミ対策が必要です。また,ラッサ熱の流行が見られる地域において,医療機関を受診する際には,ラッサ熱のような症状がある方との接触を極力避けるよう心がけてください。

  国立感染症研究所及び厚生労働省検疫所ホームページもご参照ください。

○参考情報:
 国立感染症研究所  https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/344-lassa-intro.html
 厚生労働省検疫所  http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name51.html

(現地大使館連絡先)
○在ベナン日本国大使館
 住所:Zone Residentielle de Cotonou sis a Djomehountin, 12eme arrondissement, COTONOU BENIN
(郵便物宛先:Ambassade du Japon, 08 B.P.283, Tri Postal, Cotonou, Benin)
 電話:(市外局番なし)21-30-59-86
   国外からは(国番号229)21-30-59-86
 FAX:(市外局番なし)21-30-59-94
   国外からは(国番号229)21-30-59-94
 ホームページ:http://www.bj.emb-japan.go.jp/j/
 

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