2017.07.03
イラン ラマダン期間終了に伴う注意喚起
○2017年6月7日,首都テヘランの国会事務所建物及びイマーム・ホメイニ廟周辺において18人が死亡,約50人が負傷するテロ事件が発生し,イスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)が犯行声明を発出し,イランにおける更なる攻撃を呼びかけています。
○ISILはシリア及び周辺地域において行動を制圧されつつありますが,ラマダン期間中,終了後も各国でテロが続発し,当地でもISIL等テロ組織の摘発が連日報じられるなど,依然としてテロ発生が懸念されます。
○最新情報の入手に努め,テロの標的となりやすい場所を訪れる際は,安全確保に十分注意を払い,情報収集には「たびレジ」を活用してください。
1 安全情報
(1)イランでは,イラク,アフガニスタン及びパキスタンとの国境地帯及びシスタン・バルチスタン州の一部の地域を除き,首都テヘランを含め,治安状況はおおむね平穏に推移しています。一方で,2017年6月7日,首都テヘランの国会事務所建物及びイマーム・ホメイニ廟周辺において,18人が死亡,約50人が負傷するテロ事件が発生し,ISILが犯行声明を発出しました。
(2)これまでのところ,一部国境地帯を除き,邦人がテロ・誘拐のターゲットになり得るような状況は認められませんが,ISILはイランを支配地域の「州」の一つであると定め,シーア派国家であるイランに対する明確な敵対意思を有しています。現在,ISILはシリア及び周辺地域において行動を制圧されつつありますが,引き続き予断を許さない状況にあります。また,近年,ISILが欧州や東南アジア等の域外でソフトターゲットを狙うテロが増加している点を留意する必要があります。世界の様々な地域では,イスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
2 注意喚起
このようなテロ被害の予防は一層困難な状況ですので,引き続き周辺国の情勢に警戒を高めつつ,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情報等の関連情報の入手に努めるなど日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけ,下記事項に十分注意してください。
(1)最新の関連情報の入手に努める。
(2)以下の場所がテロの標的となりやすいことを十分認識する。
観光施設,観光地周辺の道路,記念日・祝祭日等のイベント会場,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット,映画館等人が多く集まる施設,モスク・教会等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等。
(3)上記(2)の場所を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる,できるだけ滞在時間を短くする等の注意に加え,その場の状況に応じた安全確保に十分注意を払う。
(4)現地当局の指示があればそれに従う。特にテロに遭遇してしまった場合には,警察官等の指示をよく聞き冷静に行動するように努める。
【車両突入の場合】
●ガードレールや街灯などの遮へい物がない歩道などでは危険が増す。【コンサート会場,スポーツの競技場等の閉鎖空間】
●会場には時間より早めに入る,終了後はある程度時間を置いてから退出するなど,人混みを避けるよう努める。
●セキュリティの確保されていない会場の外側や出入口付近は危険であり,こうした場所での人だまりや行列は避けるようにする。
●不測の事態の発生を念頭に,会場の出入口や非常口,避難の際の経路等についてあらかじめ入念に確認する。
●周囲がパニック状態になっても冷静さを保つように努める。【爆弾,銃器を用いたテロに遭遇した場合】
●爆発,銃撃の音を聞いたらその場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとる。
●頑丈なものの陰に隠れる。
●周囲を確認し,可能であれば,銃撃音等から離れるよう,速やかに,低い姿勢を保ちつつ安全なところに退避する。閉鎖空間の場合,出入口に殺到すると将棋倒しなどの二次的な被害に遭うこともあり,注意が必要です。
3 連絡先
在イラン日本国大使館領事班
電話:(+98)-(021)-22660710(代表)
FAX :(021)22660746
e-mail: consular@th.mofa.go.jp
HP: http://www.ir.emb-japan.go.jp/jp/index.html