2016.08.04
ペルーの一部地域における非常事態宣言の延長
在ペルー日本国大使館
2016年8月3日
1 マドレ・デ・ディオス州に対する非常事態宣言の延長
ペルー政府は,7月28日付官報にて,ペルー南東部のマドレ・デ・ディオス州で発生している違法鉱山採掘に起因する水銀汚染対策のため,同州に発令されている非常事態宣言を,7月28日から60日間(9月25日まで)延長する大統領令を公布しました。
同地域ではこれまでも,違法鉱山採掘業者が垂れ流した水銀による水質汚染が指摘され,社会問題になっています。また報道によれば,同州住民の41%が水銀汚染に晒されており,特に妊婦や子供への健康被害が懸念され,川魚(mota punteada(pez de agua dulce))については商取引や消費が禁止されています。
つきましては,今後,同地域への渡航・滞在を予定されている方,又は既に滞在中の方は,上記情勢に留意の上,同地域の川魚の摂取は控え,水分はペットボトルの水等で補給する等,御注意ください。
2 カヤオ憲法特別市に対する非常事態宣言の延長
ペルー政府は,7月30日付官報にて,リマ国際空港のあるカヤオ憲法特別市における犯罪組織による麻薬犯罪,殺人等増加する犯罪への対策強化体制を維持するため,昨年12月5日以降,同市に発令されている非常事態宣言を,7月31日から更に30日間(8月29日まで)延長する大統領令を公布しました。
同地域への非常事態宣言は,麻薬犯罪組織同士の抗争による殺人事件や傷害事件が日中公然と発生し,市民が巻き込まれるおそれが増大していることから発令されたものです。同宣言発令後,国家警察が体制を強化して治安維持に当たり,犯罪組織の解体や銃器類の押収が行われていますが,未だに殺人事件等の凶悪犯罪が多発しています。
今回の非常事態宣言では,テロ対策の場合と異なり,集会の自由や通行の自由等は制限されていませんが,今後,同地域への渡航・滞在を予定されている方,又は既に滞在中の方は,上記情勢に留意の上,犯罪等に巻き込まれることのないよう,報道等で最新情報の入手に努めてください。