2015.08.06
香港:中東呼吸器症候群(MERS)の警戒レベルの引下げ等について
2015年8月3日
在香港日本国総領事館
8月1日、香港政府は、MERSに対する警戒レベルを引き下げたこと、及び、韓国に対する渡航警告(赤色警告)を解除したことについて、プレスリリースにて発表しました。
その概要は以下のとおりです。
1 警戒レベルの引下げ
(1) 香港政府は、韓国におけるMERSの感染状況に関する最新のリスク・アセスメントに基づき、「MERSに関する準備計画」の警戒レベルを「Serious」から「Alert」に引き下げることを決定した。また、衛生署は韓国への不要な渡航を避けるよう求める旅行衛生勧告(Travel Health Advice)も解除した。
(2) 韓国における新たな感染者数は、6月後半より顕著に減少し、7月3日に病院で隔離された患者のケースが最後となっている。世界保健機関(WHO)によると、韓国で発生した感染パターンは中東で起こった病院での感染発生例と類似しており、地域社会の持続的な感染を示す証拠はない。
(3) 7月3日の最後の隔離ケースの後、最大の潜伏期間の2倍の期間(合計28日間)において、新たな感染確認ケースがないことから、韓国の医療機関での感染は終息したと考えられる。
(4) 6月8日に警戒レベル「Serious」を発動してから、監視態勢の強化により、7月31日正午時点で403件の疑い例が衛生防護センターに報告されており、そのすべての検査結果は陰性であった。また、公立及び私立病院での監視システムでも、現在のところMERS感染ケースを確認していない。
(5) 香港政府は、世界のMERSの感染状況のモニタリングを継続していくこととしている。また、香港の医師は、7月31日以前に韓国に渡航した患者には注意を払い、渡航後14日以内に(MERS感染を疑い得る)症状を示す患者については、迅速に衛生防護センターに通報する必要がある。
2 韓国への渡航警告の解除
(1) 8月1日、香港政府は、韓国への赤色渡航警告を解除した。
(2) 7月3日の最後の隔離ケースからこれまでの28日間において、韓国での新たなMERS感染者は発生していない。香港政府衛生署による最新の公衆衛生リスク・アセスメントに基づき、食物衛生局は、韓国への赤色渡航警告は解除されるべきと示唆し、政府は、8月1日渡航警告を解除した。
(3) 180人収容可能な隔離施設2カ所を用意
(4) 病院など医療施設の訪問者にはマスク着用を求めるとともに、公立病院への外来対応時間を1日5時間から3時間に短縮
○ 参考情報
・国立感染症研究所感染症情報センター:MERSコロナウイルス
http://www.nih.go.jp/niid/ja/component/content/article/2186-infectious-diseases/disease-based/ka/hcov-emc/idsc/2686-novelcorona2012.html
・FORTH:中東に渡航する方へ <中東呼吸器症候群に関する注意>
http://www.forth.go.jp/news/2015/02021049.html
・厚生労働省(中東呼吸器症候群(MERS)について)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
・WHO:Global Alert and Response/ Coronavirus infections(英文)
http://www.who.int/csr/disease/coronavirus_infections/en/
・The CHP's MERS page (英文)
www.chp.gov.hk/en/view_content/26511.html
・Geographical distribution of MERS cases in the Middle East(英文)
www.chp.gov.hk/files/pdf/distribution_of_mers_cases_en.pdf
・The MERS page of the DH's Travel Health Service(英文)
www.travelhealth.gov.hk/english/popup/popup.html
・The CHP Facebook Page(英文)
www.fb.com/CentreforHealthProtection