2015.07.21
モンゴル:夏の病気: ダニとハエ
平成27年7月20日
在モンゴル日本国大使館
1 ダニ(モンゴル語で“ハチグ”):ダニ媒介性感染症
(1)ダニは動物やヒトの血を吸って成長します。
早春から晩秋までの、森林・草原での野外活動や家畜との接触でダニに噛まれることがあり、吸血の際にウイルス等の病原体がヒトの体内に注入されて感染します。
ダニは1cm以下と非常に小さいため、皮膚に付いて血を吸われたまま、数日間気づかずに過ごすこともあります。
ダニの中で病気を持っているのは1%以下ですが、ダニ媒介性脳炎、ライム病などの原因となるため注意が必要です。
(2)特にダニ脳炎は、ウランバートル市保健局も注意を呼びかけています。
http://www.ubhealth.mn/index.php/en/2014-11-11-08-12-08/621-2015-06-29-00-30-49
(要約)
○症状
・吐き気、嘔吐、めまい、ひどい頭痛
・ダニに咬まれたところの周辺が赤くなり、その中心は白っぽくなる
・背中や関節が痛くなり、調子が悪くなる
○予防策
・森に入る際は長袖、長ズボンを着用する。シャツの裾はズボンに入れ、ズボンの裾はブーツに入れる。服の色は白がよい(ダニを見つけやすくするため)。サンダルではなく靴を履く。
・ダニの咬着が認められた場合は、ダニの頭部が残らないように除去する(腹部をつまむと病原体を絞り出してしまうため、ピンセット等で頭部をつまみます)。
・アルコール等で消毒する。
・虫除け薬(忌避剤)を使う:塗り薬、オイル、エアロゾルなど
・病原体の存在が知られている地域や、ダニが生息する森林地帯での活動(松の実を摘む、狩りをする、伐倒作業、金鉱採掘など)を予定している人は、事前にワクチンを接種する。
(3)ダニ媒介性脳炎には事後のワクチン接種が、ライム病やリケッチア感染症には抗生物質による治療が必要ですので,モンゴル国立感染症センター(代表 +976-11-455388または +976-11-453849)にご相談下さい。
(4)参考:日本の厚生労働省・検疫所からの情報 “ダニが媒介する病気に注意しましょう” http://www.forth.go.jp/topics/2012/05181519.html
日本の国立感染症研究所のHPなどもご確認下さい。
2 ハエ(モンゴル語で“ヤラー”):蝿蛆症(ようそしょう)
(1)蠅(ハエ)がヒトの眼球などに、一瞬で蛆(ウジ)を産み付けることによる病気で,郊外で発生することが多いようです。
本来ハエはウシの糞にウジを産みますが、時にウシの眼やヒトの眼に産んでしまうことがあります。
(2)予防には眼鏡やサングラスの装用が有効です。
またキャンプをする際はウシの糞から離れた場所を選びましょう。
(3)ウジを産み付けられた場合、自分では取りきれないことが多いので、受診してウジを除去してもらう必要があります。
放置するとウジが皮膚やまぶたの裏側,眼球などに入り込むことがあるため注意が必要です。