2022.03.07
シンガポール│特殊詐欺事件(Scam)に関する注意喚起
特殊詐欺事件(Scam)に関する注意喚起につきまして、以下のとおりご連絡いたします。
令和4年3月7日
在シンガポール日本国大使館
シンガポールの特殊詐欺事件(以下Scam)は増加の一途をたどっており、シンガポールでは大きな社会問題となっています。その手口は様々で日々進化しており、警察の捜査も追いついていない状況です。
一度Scamの手口が認知され、警察等により市民に注意喚起がなされると、その手口のScamは減少しますが、しばらくした後、人々が忘れた頃にまた同じ手口のScamが行われ、被害が再度発生するという状況です。なお、Scamは日々進化し、 非常に巧妙化しています。たとえ心当たりがある話だったとしても、Scamの可能性を考慮して対応することが必要です。
これは、決してシンガポール人だけの問題ではありません。日本人の方も被害に遭っています。
日本大使館では、在留邦人の皆様に領事メール、ホームページなどで、Scamに関する注意喚起を呼びかけています。以下は、最近発生しているScamの手口をまとめたものですので、参考にして頂ければと思います。
1 LAZADAスタッフなりすまし詐欺の手口と対策
(1)手口
ア LAZADAのスタッフを名乗る人物から電話(+65からの番号)で連絡があり、「この取引に身に覚えがあるか?」と聞かれ、無いと答えると、キャンセルのため、今からワンタイムパスワード(以下OTP)が送られてくるので、そのOTPを教えてほしいと言われる。OTPを教えると、被害者のLAZADAのアカウントが乗っ取られる。
イ LAZADAのスタッフを名乗る人物から電話(+65からの番号)で連絡があり、「あなたのLAZADAのアカウントで不正な取引が行われたようだ。この取引を阻止し、あなたのアカウントを保護したいため、必要な情報を教えてほしい。」と言われる。
(2)対策
ア +65から始まる電話番号をシンガポール国内で受けた場合は、これはシンガポール国内からの電話ではありませんので注意してください(シンガポール国内通話の場合、+65はつかず8桁の番号のみ表示)。この電話番号は詐欺集団が利用する電話番号で、海外からの電話ですので、「電話に出ない」か「すぐに電話を切る」ようにしてください。また、SMSは無視してください。
イ OTPを教えないで下さい。既にLAZADA本社が、「たとえLAZADA社員と名乗っても、決してOTPを教えないようにして下さい」という注意喚起のSMSを会員に送信し、被害防止を図っています。また、LAZADAに限らず、他の会社や政府機関からの問い合わせでも、決してOTPや暗証番号、パスワードを電話等で他人に教えないようにして下さい。電話やメールでは相手の身分確認が出来ません。
ウ なお、LAZADAの会員情報は2020年にネット上で流出したと新聞発表されており、Scamの犯人は、会員のメールアドレスや電話番号、住所等の個人情報を既に入手している可能性があります。よって、個人情報を詳しく知っているからと言って、LAZADAのスタッフとは限りません。また、この犯人は、相手にLAZADAのスタッフだと信じ込ませるために、個人情報保護のためなどと申し立てて、わざと相手の個人情報を部分開示しかしないなど非常に手が込んでいますので気をつけて下さい。
2 DBS・OCBC等銀行のなりすまし詐欺の手口と対策
(1)手口
ア DBSなどの銀行員を名乗る人物から電話やWhatsAppなどで連絡若しくはSMSで口座やキャッシュカードがロックされたなどのメッセージが届く。対応すると口座やキャッシュカードがロックされた、ハッキングされた、偽造されたなどの口実で、確認のためと説明し、口座番号の詳細やパスワードを聞き出す。聞き出した情報で、当該口座から不正に別口座に送金する。
イ DBSを装ってローンに関するSMSが届く。SMS内にある連絡先(氏名及び電話番号+65*********)に電話若しくはメッセージを送ると、シニア・ローンアドバイザーを名乗る人物が低金利でお金を貸すと説明する。その後、この人物が、IDや銀行口座、給料明細書などのコピーを送るよう指示する。開始手数料(例:200Sドル)と保険料(例:500Sドル)を指定する銀行口座に振り込ませる。その後、違う銀行口座に振り込む必要があったとして、更に同様の金額を追加で違う指定口座に振り込むよう要求し、この手口を繰り返す。
(2)対策
ア +65から始まる電話番号をシンガポール国内で受けた場合は、これはシンガポール国内からの電話ではありませんので注意してください(シンガポール国内通話の場合、+65はつかず8桁の番号のみ表示)。この電話番号は詐欺集団が利用する電話番号で、海外からの電話ですので、「電話に出ない」か「すぐに電話を切る」
ようにしてください。また、SMSは無視してください。
イ 銀行に限らず、警察、公共機関などが個人情報や口座番号、パスワードを電話やメールなどで尋ねることはありません。他人からの要求により、電話やメール、チャットアプリなどでIDや口座番号、パスワードを決して教えないでください。
ウ もし、何度も電話やSMSなどで連絡がある場合は、その場で対応せず、一旦電話を切って、自分から銀行のカスタマーサービスなどに電話やメールをしてください。
3 電話会社テクニカルサポートなりすまし詐欺の手口と対策
(1)手口
ア 電話会社(SINGTEL、STARHUB)のオペレーターを名乗る人物から電話がかかる(英語)。WIFI接続に不具合があるなどと言って、パソコンなどでWIFI接続を求めてくる。
イ パソコンでインターネットに接続すると、技術担当者などに電話を替わるなどし、リモートコントロールが可能なアプリ(TeamViewer、AnyDesk)をダウンロードしてくれれば、技術担当者がリモートで操作するので、どのような問題があるか特定出来るなどと説明し、アプリをダウンロードさせる。
ウ 技術担当者が、リモートで被害者のパソコンを操作しながら、被害者のWIFIに海外から複数のアクセスがあり、不正に利用されていたことを発見したと知らせる。その後、技術担当者から、Cyber Crime Department of SingaporeやCyber Police of Singaporeと名乗る警察官に電話を転送し、その警察官から、「あなたのIPアドレスが不正に海外でマネーロンダリングに使用されている。犯人を突き止めたいので、おとり捜査に力願えないか」などと依頼を受ける。
エ 被害者が承諾すると、ネットバンキングにアクセス(ID、パスワード)させて口座を開かせ、「海外の口座にあなたの口座から決まった金額を一旦振り込むが1時間後にまた口座に戻す」などと説明し、海外の振込口座をリモートで入力し同口座に送金させる。また、リモート操作により、振込金額の上限を変更して送金する場合
もある。
オ 振り込み操作を行い、入金される間、被害者が銀行や電話会社などに連絡して、詐欺と悟られないよう、パソコンやスマホには触らない、誰とも連絡を取らないことを指示する。また、被害者が送金途中で部外者に連絡したり、パソコンを切ったりしないよう、「あとで警察が取りに来るので、証拠保全のためコードなどをメモに
記載してほしい」と指示して意味不明のコードなどを記載させる。
(2)対策
上記手口に類似する点がある場合は詐欺を疑って下さい。
ア 電話会社から、「WIFI接続に不具合がある。」などの連絡は、顧客側から電話会社に連絡しない限りありません。仮に同様の電話を受けた場合は、心当たりがある場合でも、まず相手の名前と所属を確認し、一旦電話を切って電話会社のカスタマーサービスに電話をし、名前などを確認するようにしてください。
イ 電話会社や警察が、問題解決あるいは捜査のためリモートコントロールのアプリを導入させることはありません。リモートコントロールのアプリの導入などを指示してきた場合は詐欺を疑い、断ってください。
ウ 電話会社や警察が個人のネットバンキング口座をネット上で開かせることはありません。決して他人からの要求でネットバンキングを開いたり、IDやパスワードを教えたりしないでください。
エ 警察が一般の方の口座を利用しておとり捜査を行うことは一切ありません。また、警察がどのような理由であれ、電話やメールで一般の方の身分証明書番号、旅券番号、口座番号、パスワードなどを尋ねたりすることはありません。警察官などと名乗る人物が電話をかけてきた場合は、所属と名前を確認し、一旦電話を切って、再
度最寄りの警察署等に連絡して、確認しましょう。
4 もし被害に遭ってしまったら・・・
(1)一番大事なのは貴方の財産を守ることです。ご加盟している銀行やクレジットカードの緊急対応電話へ速やかに連絡してください(キャッシュカードであれば、裏側等に緊急電話番号が記載してあります)。銀行等に相談し、速やかにキャッシュカードやクレジットカードの取引を停止し、カードのキャンセル等を行ってくださ
い。
(2)最寄りの警察へ被害届(POLICE REPORT)を提出してください。
(3)途中で気づいた場合は、すぐに電話等を切って下さい。その後、被害に遭ったかもしれないと感じた場合は、すぐに銀行に連絡し対処して下さい。また、被害届が必要な場合は、警察にも連絡をしてください。
(4)たとえ被害者になっても、決して自分を責めないで下さい。悪いのは犯人です。あなたではありません。
このメールは在留届及び、たびレジにて届けられたメールアドレスへ自動的に配信されております。
在シンガポール日本国大使館
TEL:6235-8855
FAX:6733-5612
E-mail : ryoji@sn.mofa.go.jp
http://www.sg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html