2022.02.03
ノルウェー|新型コロナウイルス感染防止措置の大幅緩和(2022年2月1日23:00~)
●2月1日、ノルウェー政府は、以下のとおり、新型コロナウイルス感染防止措置の大幅緩和を発表しました。なお、この緩和措置は同日23時から適用されています。
【主な変更点】
・個人宅への招待者数、屋内・屋外イベントの人数制限の撤廃。
・映画、劇場又は教会等の固定席のあるイベントにおける着席中の距離制限の撤廃。
・アルコール提供の時間制限及びアルコールの注文をテーブルのみで行うこととする制限の撤廃。
・保育園及び学校に対し「黄色」レベルを課す全国的推奨措置の撤廃。
・単科大学、総合大学及び専門学校の授業は、すべて対面にて行うことの推奨。また授業における1メートルの距離を保つ推奨措置の撤廃。
・団体で行うスポーツ及び余暇活動が必要な場合には人的接触を伴う活動も含め、屋内外を問わず通常どおり行うことができる。
・適切な感染拡大防止措置を伴う遊園地等遊興施設の再開。
・在宅勤務の要請撤廃。ただし雇用者が感染防止のためどの程度在宅勤務を活用したらよいか検討することを推奨する。企業は全員が同時に感染することを避けられるよう検討しなければならない。
・ノルウェー入国時の国境での検査の撤廃。
●また、ノルウェー政府は感染状況に大きな変化がなければ、2月17日(木)までにすべての措置を撤廃することを目指すとしています。
1 措置緩和の背景
現在の変異株(オミクロン株)は、以前流行したウイルス株よりも重篤な症状を引き起こさない。多くの者が感染してはいるが、入院する者は少ない。ワクチン接種によって十分に守られている。これにより、感染者数は急増してはいるが、極めて多くの措置を緩和することができる。
2 措置緩和後の見通し
(1)今後極めて多くの感染が予想される。ノルウェー公衆保健研究所(FHI)は、夏までに約3~4百万人がオミクロン株に感染すると試算しており、20パーセント程度までの病休に対応できるよう準備を整える必要がある。措置の緩和を受け、感染者数が増加することを想定しておかなければならないが、保健サービスへの負担を抑え、病欠となる者の数を十分に管理できている現状であれば、国民及び産業を規制する強力な措置は適さないと評価している。
(2)感染の増加により、入院患者数の増加が見込まれるが、パンデミック初期の頃と比べ、入院のリスクはずっと低いものとなっている。また、入院期間も短くなっており、集中治療が必要な患者数も減少している。
(3)政府は、今回ノルウェー国内に適用される全国的緩和措置に関し、ワクチン接種済みの者と未接種の者を区別しない。今後より厳格な措置を導入する必要があれば、イベント及び飲食店でのワクチン証明書利用の導入もあり得る。
3 全国的措置
(1)一般的勧告
・手指及び咽喉の衛生を保つこと。
・ワクチンを接種すること。
・病気の場合は在宅すること。
・新たに呼吸器系の症状が発症した場合はCOVID-19の検査を受けること。
(2)距離及び社会的接触
・生計を共にする者又はこれに相当する近親者以外の者とは、1メートルの距離を保つことが推奨される。この推奨措置は、高等教育、イベント、集会、団体で行うスポーツ及び余暇活動では適用されないこともある。
・1メートルの距離に関する推奨措置は、余暇活動中の保育園児、小学生、未成年及び脆弱なグループに属する者を対象とした仕事に従事する成人には適用されない。
・深刻な病気に罹患するリスクがある者及びワクチン未接種の者は自分自身を守るべきであるが、孤立はしないこと。
・深刻な病気に罹患するリスクがある者及びワクチン未接種の者は特に、大規模な集会、距離を保つことが困難な飲食店での会食への出席、及び感染が多く確認されている地域への不要な渡航には慎重に対処するか又はこれらを避けるべきである。
・個人宅への招待者の推奨上限数を設けない。
・生計を共にする者又はこれに相当する近親者以外の者と同じ部屋に滞在する場合には、十分換気することを推奨する。
(3)マスク
・店舗、ショッピングセンター、飲食店、公共交通機関、タクシー、駅構内エリアで最低1メートルの距離が保てない場合は、マスクの着用が義務付けられる。物理的な仕切りが設置されていない限り、従業員も同様である。
・飲食店又はイベントでの着席時又は飲食時にはマスク着用義務は適用されない。
(4)団体で行うスポーツ及び余暇活動
・すべての者は、団体で行うスポーツ及び余暇活動を、必要な場合には人的接触を伴う活動も含め、屋内外を問わず通常どおり行うことができる。
・プロスポーツは、通常どおり(活動を)行うことができる。
(5)学校、保育園及び成人学校
・適切な感染拡大防止措置を遵守した運営が要請される。このことは、事実上、保育園、小中学校及び成人学校は、「緑色」レベルでの運営が要請される。
・保育園、小中学校及び成人学校に対する全国的なレベルに応じた推奨措置は解除される。
・定期検査の推奨は撤廃される。
(6)高等教育
・適切な感染拡大防止措置を遵守した運営が要請される。
・授業は、すべて対面にて行うことを推奨する。適用されている推奨措置の範囲内で可能な限り学生が正常化した学業生活及び良好な学習環境を享受できるようにすることとする。
・授業時に1メートルの距離を保つ推奨措置を撤廃する。
・定期検査に関する推奨は撤廃される。
(7)職場
・1メートルの距離を保つことを推奨する。
・職場にて在宅勤務をどの程度行うことが適当であるかを検討することを雇用主に推奨する。この検討においては、職場での感染の可能性及び同時期に病欠数が多くなることによる脆弱性の双方に重点が置かれることとなる。
・人と人との間に距離が保てるよう考慮すべきである。
・人と人との間に物理的な仕切りが設置できず、距離が保てない場所では、マスク着用を推奨する。
・従業員が脆弱なグループや未成年者に対し必要かつ法的に定められた仕事を実行できない場合には、在宅勤務及びマスク着用の措置は適用されない。
(8)行事、集会
・私的集会の出席人数制限を撤廃する。
・公的行事の出席人数制限を撤廃する。
・感染管理の適切な運用が要請される。
・主催者は、感染管理に関する基準について熟知し、遵守する必要がある。
・主催者は、全ての参加者について、指定席に座る場合を除き、生計を共にする者又はこれに相当する近親者以外との距離を1メートル確保せねばならない。参加者全員が指定席に座る場合、全席を埋めることができる。主催者は、会場又は会場エリア内で(座っていない場合に)距離を保つことができるよう手配する必要がある。
・文化・スポーツ行事出場者、保育園・小学校の同じクラス等の一部のグループについては、上記1メートルの距離の確保が免除される。
・200名以上の行事の主催者は、適切な感染管理について計画書を策定する必要がある。主催者は、感染防止措置に従わない場合にはその根拠を明確に示さねばならない。
(9)飲食店
・23時までのアルコールの提供制限及びテーブル席でのアルコールの提供義務を廃止する。
・飲食店は、すべての客が生計を共にする者又はこれに相当する近親者以外との距離を1メートル保たれるようにしなくてはならない。
・ダンス等客同士の距離を1メートル保てない活動を行ってはならない。
・客の連絡先登録措置を廃止する。
(10)検査、隔離、自宅待機
・コロナウイルスに感染した者は、4日間隔離しなくてはらない。症状のある感染者は、解熱剤を使用しない状態で最低24時間発熱がおさまるまで隔離しなくてはならない。新たな措置は、この緩和措置適用時に隔離を行っている者にも適用される。
・感染者が生計を共にする者又はこれに相当する近親者の濃厚接触者への法定自己隔離義務も廃止される。
・生計を共にする者又はこれに相当する近親者は、感染者との濃厚接触から5日間毎日検査を受けることが推奨される。
・隔離期間中の感染者との濃厚接触を避けられない者は、隔離期間中毎日検査を受け、隔離終了後も5日間毎日検査を受ける必要がある(合計9日間)。
・上記のケースの検査はセルフテストとすべきであるが、医療機関による抗体検査又はPCR検査でもよい。
・これ以外のケースでは、症状のある者のみが検査を受けることを推奨される。その他の症状のない濃厚接触者は、検査を受けることを推奨されないが、症状の有無については十分気を付ける必要がある。
・義務教育年次またはそれ未満の子どもは、症状がある場合のみ検査が推奨される。これは家庭内感染にも適用される。
・感染者と生計を共にする者又はこれに相当する近親者は、濃厚接触から10日間は、屋内の公的な場所でのマスクの着用及び大規模な集会・イベントへの出席を避けることが推奨される。加えて、検査期間を通じて症状の有無に注意し、症状がある場合は自宅待機し検査を受ける必要がある。
・保育園、学校、高等教育機関での定期検査は廃止される。
・十分な検査体制のある自治体は、必要に応じ、学校や大学等で検査を行える。これは発症者が検査を簡単に受けられるようにするためである。
(11)感染追跡
・感染者は、陽性が確認された後直ちに濃厚接触者に連絡するよう努める。ただし、必要に応じ、自治体が支援を行う。
・自治体は、各自がセルフテストの陽性結果を登録できるシステムを活用するよう要請される。
・感染者は感染経路確認アプリで陽性結果を登録することが推奨される。
(12)感染管理責任事業
・事業者には、生計を共にする者又はこれに相当する近親者以外と少なくとも1メートルの距離を保つことができるよう手配すること、及び良好な衛生、清掃、換気のためのルーティンの導入が求められる。
・保育園、学校、高等教育を含むその他の教育機関、職業訓練学校に対し、感染管理の適切な運用を求める。
・以下の事業は、感染対策を整えた上で営業しなければならない。
図書館、美術館、ビンゴホール、ボウリング場、スイミングプール、ウォーターパーク、スパ施設、ホテルのプール、ジム、ショッピングセンター、店舗、見本市、出店、遊園地、遊技場、ゲーム場等。
(13)スヴァールバル諸島
・スヴァールバル諸島における居住者で、ワクチン接種の完了またはCovid-19に罹患したことを証明できる者は、スヴァールバル諸島到着前の検査要件を免除される。
・スヴァールバル諸島に到着した者は引き続き到着後24時間以内に検査を受けなければならない。
(14)ノルウェー入国
・すべての旅行者(ノルウェー人を含む)は、ノルウェー到着時前に登録する必要がある。
・ワクチン証明書でワクチン接種完了を証明できない者又はCovid-19に罹患したことを証明できない者は、陰性証明書を提示しなければならない。
・国境での検査義務は廃止される。
4 今次発表の詳細は、以下のウェブサイトにてご確認ください。
【送信元】
在ノルウェー日本国大使館 領事班
電 話: (+47)2201-2900
メール: ryouji@os.mofa.go.jp