2021.10.21
シンガポール 「安定化フェーズ」の延長(~2021年11月21日)
新型コロナウイルスの発生に関する注意喚起(その67)につきまして,以下のとおりご連絡いたします。
新型コロナウイルスの発生に関する注意喚起(その67)
令和3年10月21日
在シンガポール日本大使館
1 10月20日、シンガポール保健省(MOH)は、感染拡大を遅らせ医療を守るため、9月27日からの「安定化フェーズ」を(10月25日から)11月21日までに延長する、また、措置については2週間後に見直しを行い、そのときの状況に応じて調整すると以下のとおり公表しました。詳細は以下の保健省(MOH)HPをご確認ください。
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/updates-on-local-situation-and-maintaining-the-stabilisation-measures
(1)感染拡大を遅らせて医療への負荷を下げるため、9月27日から「安定化フェーズ」に入ったところです。政府はこの4週間で、COVID-19 Treatment Facility(CTF)を拡充し、自宅療養プログラム(Home Recovery Programme (HRP))の改善を図ってきました。また、軽症・無症状者が自宅で隔離・療養できるようにするため、療養の仕組についても簡素化しました。ワクチン接種を受けておらずリスクの高い人を守っていくため、感染者の訪問頻度の高い場所へのワクチン接種別の措置(Vaccination-Differentiated Safe Management Measures
(VDS))の拡大も行いました。
(2)この1か月間の各種措置への皆様のご協力に感謝します。安定化のためのこれらの措置により、感染拡大を緩めることができています。しかしながら新規感染者数は増加を続けており、ICUでの治療を必要とする危険な状態の多くの患者が引き続きいます。状況のさらなる安定のための時間を確保するため、また、医療及び医療従事者を守るため、現在の安全管理措置を維持する必要があると考えられます。
〈COVID-19と医療の状況〉
(3)引き続き感染者の大多数(98.6%)は軽症か無症状で、これは84%という高い割合で住民が2回のワクチン接種を完了していることによります。この数日の重症者495人のうち、ワクチン非接種者は54.7%もの割合を占めています(残りは、ワクチン接種済みですが他の疾患を持っている人です)。残念ながらこの数日、60歳以上でワクチンの接種を受けずに感染した人が増加しており、1日100人ほどとなってきています。
(4)ICUでの治療が必要な人の数も、感染者数の増加と同じ割合で時間をおいて増加し続けており、過去2週間で80人となりました(その前の2週間は46人)。
(5)感染者数の増加に伴って病院・療養施設に搬送される人も増加しており、現時点で感染者全体の約10%に当たる1,738人が、重症又は疾患を持っていて注視が必要なことから病院又はCTFに搬送されている状況です。60歳以上の高齢者でワクチンの接種を完了していない人が、ICU搬送及び死亡例の3分の2を占めています。
(6)現在公立病院に1,650床の隔離病床と200床のICUがありますが、隔離病床の89%が占有されています。ICUの占有率は、コロナによりICUでの治療・モニターが必要な者とコロナ以外のICU使用者あわせて67%になっています。
(7)感染者数の増加に対応するため、保健省は公立病院及び私立病院と協力してコロナ患者用病床の確保を図っています。現在病院とCTFで4,200床の病床があり、うちICUが200床、更に100床をICUが必要な患者に瞬時に対応できるよう備えています。症状が安定している患者については、病院の負荷を下げるためにCTFに移送しつつモニターを継続しています。モニターの必要が低いと判断された人は、Community Isolation Facility(CIF)に移送されるか、自宅療養(Home Recovery Programme)となります。それぞれの施設等間での緊密な連携によって搬送を効率化することで、病院入院者の数を抑えることができています。高齢で疾患を持つコロナ患者の回復
・リハビリ支援や療養体制の安定のため、保健省は複数のコミュニティホスピタルとCTF病床の増床について調整しています。
(8)このように公立病院において病床を増床しているところですが、患者が入院できるまで、長い時間がかかっています。このため、公立病院と医療スタッフへの負担を軽減するために緊急度の低い治療や命に関わらない治療を控えています。また、治療体制の最適化のため、私立病院においても公立病院から患者を引き受けています。
〈安定化措置の維持〉
(9)感染拡大を遅らせ医療を守るため、9月27日に「安定化フェーズ」に入りました。残念ながら、引き続き医療への負荷が大きいことに鑑みれば、状況の安定のためにはもうしばらく時間が必要です。よって、この「安定化フェーズ」を(10月25日から)11月21日までに延長します。措置については2週間後に見直しを行い、そのときの状況に応じて調整を行います。
〈対象業種への支援〉
(10)政府は「安定化フェーズ」の延長によって影響を受ける事業者や個人への支援を継続します。
(11)影響の大きい業種へのJobs Support Schemeによる25%の給与補助(注:対象は国民と永住者)を継続します。詳細はAnnex Aを参照してください。
Annex A: https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/default-document-library/enhancements-to-jobs-support-scheme-(jss)-for-affected-sectors.pdf
(12)政府保有の商業施設のテナントのうち要件を満たす者については、0.5か月の家賃免除を行います。民間商業施設のオーナーやテナントについても、Rental Support Schemeによる0.5か月の家賃補助が受けられます。
(13)国家環境庁(NEA)管轄施設における飲食店やマーケットのテナントも0.5か月の家賃免除となります。
(14)タクシー及び個人ハイヤー事業者の支援策として、COVID-19 Driver Relief Fundにより11月及び12月に1日・1台当たりそれぞれ10ドル及び5ドルの支給が継続されます。
(15)支援策の総額は6億4千万ドルとなり、これは予想を上回った税収から拠出されるものです。準備金の取り崩しはありません。
〈脆弱なグループを守る〉
(16)この「安定化フェーズ」の期間、社会に対して責任を持って行動するよう、また、各種安全管理措置を遵守し、定期的に検査を受け、体調が悪くなったら医療機関を受診するよう強くお願いします。高齢者や疾患を持っている人は感染すると重症化するリスクが高いため、特に気をつける必要があります。
皆で取り組むことで、この感染の「波」を乗りこなし、強く立ち上がることができるのです。
2 シンガポール保健省(MOH)は、シンガポール国内における感染者数及び予防接種状況等関連情報を以下の保健省HPで公表しています。
(保健省HP) https://www.moh.gov.sg/
3 シンガポール国外でワクチンを接種して新規に入国する就労パス保持者およびその帯同者(EP、S Pass、DP)については、Stay Home Notice終了後2週間以内にワクチン接種状況確認手続(抗体検査を含む)を行うことが義務づけられています。シンガポール国外でワクチンを接種して11月1日以降に新規入国する学生パス保持者およびその同行者も同様です。手続は一部日系クリニックも含む保健省登録のクリニックで受付けています。詳細は次のURLをご参照ください。
https://www.sg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00355.html
4 日本帰国時には、検疫所へ「出国前72時間以内の検査証明書」の提示が必要です。提示できない場合、検疫法に基づき、日本への上陸が認められないことになります。
検査証明書は、シンガポールの認定クリニックにより交付されるdigital PDT certificate(Memo on Real Time RT-PCR Swab Test Result)を印刷したものを提示いただくことで足り、必ずしも日本の「所定のフォーマット」の使用の必要はありません(シンガポールの認定クリニック発行のdigital PDT certificate(Memo on Real Time RT-PCR Swab Test Result))であれば、性別、医療機関住所の記載及び医療機関の印影がなくてもかまいません)。シンガポールにおける検査方法は https://safetravel.ica.gov.sg/health/covid19-tests/pre-departure-test (シンガポール政府サイト)をご参照ください。
また、空港の制限エリア内において、ビデオ通話及び位置確認アプリのインストール並びに誓約書に記載された連絡先の確認が行われます。
有効なワクチン接種証明書類を検疫に提出する方は、入国後14日間の待機期間の一部が短縮されます。
詳細は次のURLをご参照ください。
https://www.sg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/keneki_0108.html
5 日本国政府は、7月19日正午(日本時間)から在留先でのワクチン接種に懸念等を有する海外在留邦人等を対象とした新型コロナワクチン接種事業のインターネット予約受付を開始しています。本事業での接種を希望される方は、以下の外務省海外安全HPに掲載されている特設サイトを通じて事前の予約をお願いします。
(海外安全HP) https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/vaccine.html
6 日本国警察庁は、日本の運転免許証の更新について、海外に滞在されている皆様が活用可能な手続きを一覧で公表しています。
(警察庁HP「海外滞在者の自動車運転免許証の更新等に係る特例について」)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/menkyo/kaigai_tokurei.html
7 航空会社各社は、新型コロナウイルスの発生により、路線の減便等の措置を実施しています。詳細は各社HPを確認下さい。
(日本航空HP)
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/flysafe/flights-service/#inter
(全日空HP)
https://www.anahd.co.jp/ja/jp/topics/notice200206/#2
(シンガポール航空HP)
https://www.singaporeair.com/en_UK/sg/media-centre/news-alert/?id=k88gnin9
(シンガポール・エアライングループにおけるチャンギ空港におけるトランジット対象地域も同HPを御参照下さい。)
8 外務省海外安全ホームページ、厚生労働省ホームページ、シンガポール保健省ホームページなどの最新情報を収集し引き続き感染予防に努めて下さい。
●外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
●厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
●厚生労働省検疫所ホームページ
https://www.forth.go.jp/news/20200129.html
●シンガポール保健省(MOHホームページ)
https://www.moh.gov.sg/
(参考)シンガポール政府はWhatsAppの専用チャンネルを設け情報を提供しています。(チャンネル登録: https://go.gov.sg/whatsapp )
在シンガポール日本国大使館
TEL:6235-8855
FAX:6733-5612
E-mail : ryoji@sn.mofa.go.jp
http://www.sg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html