2021.09.22
ボスニア・ヘルツェゴビナの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)
危険レベル・ポイント
【危険度】
●ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国の境界周辺地域及び一部クロアチアとの国境周辺地域(地雷が残存している可能性のある地域):
レベル1「十分注意してください。」(継続)
【ポイント】
●ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国の境界周辺地域及び一部クロアチアとの国境周辺地域においては、過去の紛争時に埋設された地雷がいまだに残存しており、十分注意する必要があります。
詳細
1 概況
(1)ボスニア・ヘルツェゴビナでは、1995年に紛争が終結して以来、和平が定着し、紛争で破壊された経済・社会インフラも国際社会の支援もあって相当程度回復してきており、政治的にも民主主義体制確立のための改革が進められています。しかしながら、国土の2.0~2.3%に残存する紛争時に埋設された約8万個の地雷の除去作業は現在も継続しています。
(2)ボスニア・ヘルツェゴビナでは、紛争時に使用された武器を用いた強盗事件や発砲事件、爆弾事件が発生していましたが、現地治安機関から発表されている統計によると、2019年の犯罪発生件数は、13,156件で、2015年の22,281件より9,125件(41%)減少しています。このうち殺人・殺人未遂は、110件から102件に減少(7%減)したほか、強盗・窃盗事件は、14,769件から9,197件に減少(38%減)しています。
(3)2015年2月に主要都市で大規模デモが治安機関との衝突を含む暴動に発展する事案が発生しましたが、これ以降、死傷者が発生するような暴力的デモは発生していません。
(4)2015年9月にISIL機関誌にて在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館を標的にしたテロ攻撃が呼びかけられたものの、これまでに、ボスニア・ヘルツェゴビナにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていません。
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
2 地域別情勢
ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国(RS)の境界周辺地域及び一部クロアチアとの一部国境周辺地域(地雷が残存している可能性のある地域):
レベル1:「十分注意してください。」(継続)
(1)現在では地雷の除去も進み、通常の生活や観光において、サラエボ市等の主要都市で被害に遭う可能性はほとんどないと言えますが、上記の主体境界周辺地域等を中心にいまだ国土の2.0~2.3%が地雷原とされており、8万個以上の地雷が残っています。当該地域においては、地雷除去作業が継続しており、地雷の多くは既に埋設場所が確認され、「ドクロ・マーク」、「MINE」及び「立入禁止を示すテープ」で表示されていますので、こうした場所には絶対に近づかないでください。また、表示のない場合や表示が外されてしまった埋設場所もありますので、草むらや未舗装の道路、廃墟や廃村、果樹園等には、現地事情に詳しいガイドを伴わずに立ち入ることは避けてください。万一、埋設エリアに誤って入ってしまった場合は、絶対にその場を動かず、周囲に助けを求めるなどして、駆けつけた作業員等の指示に従ってください。
(2)サラエボ市、バニャ・ルカ市では、紛争時に使用された武器が多く出回っていたことから、これらを使用した強盗事件や発砲事件、爆弾事件が発生していました。しかし、EU部隊(EUFOR)が引き続き駐留していること、また、EU加盟に向けて警察組織改革・体制強化が行われていることにより、犯罪発生件数は年々減少しています。
(3)2015年2月に主要都市で大規模デモが治安機関との衝突を含む暴動に発展する事案が発生しましたが、これ以降、死傷者が発生するような暴力的デモは発生していません。
現在、当地で行われるデモ行動のほとんどは、不審な事件・事故の真相解明を求めるものや、賃金引き上げ要求、退役軍人の社会保障等を求めるもので、政府の政策等に関する抗議デモにおいても、政府関連庁舎前におけるシュプレッヒコールまたは警察による誘導に従う幹線道路行進がほとんどであり、暴動により死傷者が発生するような事態には発展していません。
なお、2015年以降に発生しているデモ行動は、原則として、政府への届出に沿って行われるもののみであり、不用意に近づくことのない限り、日本人が巻き添え被害に遭う可能性は低いと考えられます。
以上の状況から、ボスニア・ヘルツェゴビナへの渡航・滞在を予定されている方は、引き続き日本国外務省、在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館、現地関係機関等から最新の情報を入手し、自己の安全確保に留意してください。
3 滞在にあたっての注意
滞在中の方は、上記情勢及び下記の注意事項に留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館、現地関係機関等から最新の情報を入手するように努めてください。
(1)住民との会話においては、宗教、民族的な話題のほか、滞在地以外の地域の話題には留意が必要です。
(2)強盗事件は、銀行、ベットショップ(サッカーくじ売場)、スーパーやガソリンスタンド等で発生しているため、巻き込まれないよう、これらの施設からは用件が済み次第、速やかに移動するようにしてください。
(3)バス・ターミナルやサラエボ中央駅周辺は、近年、中近東・アフリカ方面からの不法移民のたまり場にもなっていて、日本人旅行者が強盗等の被害に遭うケースも発生しています。滞在時は昼夜を問わず、ひと気の無い場所へ行くことを避け、避けられない場合には用件が済み次第速やかにその場から離れるようにしてください。
(4)国内を移動する際は、交通量が少なく治安面で万全ではない非幹線道路を避け、幹線道路を利用するようにしてください。
(5)その他、ボスニア・ヘルツェゴビナ滞在にあたっての注意事項は、「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_191.html )や「安全の手引き」(https://www.bosnia.emb-japan.go.jp/files/000441986.pdf )も参考にしてください。
(6)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
ボスニア・ヘルツェゴビナに3か月以上滞在する場合は、在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )
3か月未満の旅行や出張等の際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時に在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )
4 その他
また、隣国のクロアチア及びセルビアにも各々「危険情報」が発出されているのでご参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省海外安全相談センター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館:
住所:Bistrik 9, 71000 Sarajevo, Bosnia and Herzegovina
電話:(市外局番033)-277-500
国外からは(国番号387)-33-277-500
ファックス:(市外局番033)-209-583
国外からは(国番号387)-33-209-583
ホームページ:https://www.bosnia.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html