2021.08.02
ベトナム 無症状感染者に対する自宅隔離のガイドライン
・7月28日、ホーチミン市人民委員会保健局は、「コロナ感染者の自宅でのケア及び健康観察に関するガイドライン」を通知(第5069/SYT-NVY号)しました。概要(抜粋)は以下をご参照ください。
・感染者の隔離及び治療に関する措置は、お住いの地域を管轄する保健局等の指示に従うこととなりますが、自宅隔離となった場合には、本ガイドラインも参考にして適切な措置を講じてください。
・邦人の皆様におかれましては、引き続き感染防止対策に努め、ベトナム政府やお住まいの地域の当局が発表する情報にご注意下さい。
ホーチミン市人民委員会保健局通知(第5069/SYT-NVY号)
コロナ感染者の自宅でのケア及び健康観察に関するガイドラインの発出について
前文)
コロナ治療を行う医療機関におけるコロナ感染者による病床逼迫の状況を回避し、医療の質を向上し、また患者の精神的な負担を軽減するために、ホーチミン市保健局は「コロナ感染者の自宅でのケア及び健康観察に関するガイドライン」を発出する。本ガイドラインの実施中に、何ら課題がある場合は、保健局(028.3930.9981)、又はホーチミン市疾病管理センター(0869.577.133)に電話で相談すること。
本文)
1 対象者・条件
(1)対象者
ア 医療機関で治療を受けている無症状のコロナ感染者は、入院後7日目の退院条件を満たす場合は、退院させて自宅での健康観察を14日間継続する。
イ 市中で新たに発見されたコロナ感染者のうち、無症状でリスク要素なし(基礎疾患を有しない、又は基礎疾患を有するが治療で安定している、又は肥満ではない)のコロナ感染者は自宅での14日間隔離。
(2)自宅隔離条件
● コロナ感染者に対する個室を用意できる。窓があり換気が良い、個別のトイレ付き、個人の電話があること(必要の際に区・郡の医療施設や緊急対応チームに連絡が可能なもの)
● 隔離用個室の前に、机や椅子を設置して個人が必要とする食糧や備品を置くことができる。個別のゴミ箱やゴミ袋がある。
● 消毒液、医療マスク、体温計、うがい薬(0.9%含有の生理食塩水も可)がある。
● 解熱剤、ビタミン剤、栄養剤、伝統医薬品などの体調維持に必要な薬を用意する。
● 子ども、高齢者、自身でケアできない基礎疾患を有する者は、自宅隔離時には補助者・介護者が必要。
● 自宅隔離を希望する者はガイドラインを遵守し十分な条件を整えることを誓約する。
● 家族全員がコロナ感染者となった場合で、お互いにケア及び健康観察ができる場合には、各個人に個室をあてがうという条件は必要ない。
2 実施ガイドライン
(1) コロナ感染者に対して
● 食事とトイレ以外はいつもマスク着用。マスクは1日2回取り替える。マスクを外して捨てる時には、マスクをアルコール殺菌する。
● 手の消毒のほか、生活用品やドアノブ、机の表面、便座、洗面台などのよく触る場所は常に殺菌する。
● 一日に最低2回の検温、発熱を感じる時にも検温。電子医療申告を通じて1日に最低1回の医療申告を行う。
● 栄養バランスの良い食事を十分に取り、水を多く飲む。
● 一日に最低15分、隔離部屋の中で運動、呼吸運動をする。
● 薬を服用する場合は、必ず医療関係者の指示に従う。
● 38度以上の熱、せき、喉の痛み、下痢、嗅覚・味覚の異常、胸の痛み、呼吸困難(深い呼吸や10秒間続けての呼吸ができない)、1分間に20回以上といった呼吸回数が多いなどの症状のうち一つでもある場合は医療関係者に電話すること。
● 呼吸困難、息が苦しい、呼吸数が1分間に30回以上、意識の混濁、SpO2(酸素飽和度)指数<95%(自宅にパルスオキシメーター等の測定機材がある場合)などの重症化に繋がる症状がある場合は、「115」(救急車要請)若しくは区・郡の緊急対応チームにすぐに電話すること。
(2) 介護者及び感染者の同居人に対して
● 規定に沿った自宅隔離の条件を遵守するように地方当局に誓約する。
● 電子医療申告により、自身やコロナ感染者(本人ができない場合)の健康状態を、1日1回または異変がある場合に申告をする。
● コロナ感染拡大の防止対策を実行すること。なお、保健分野の情報発信・資料に基づき、感染者の重症化の発見に努める。
(3) 医療機関に対して
● 区・郡のコロナ防止対策委員会は、感染者のために医療センターや保健所の医師や退職した医師から成る電話相談医のチームを編成する。医療センターは、24時間対応の相談用の回線を設置し、電話でいつでも感染者に自宅療養、自宅診療、医療機関への誘導ができるようにする。
● ホーチミン市の115救急センターは、自宅隔離中に症状が重くなる場合の連絡を受ける責任を負い、救急車、病人の搬送車、タクシー(Binh Chanh郡、Binh Tan区、10区、12区、Thu Duc市の5か所に指定されたタクシーがある)に感染者を最寄りの治療病院へ搬送させる。
● 医療センターは14日目に自宅で感染者の検体採取を行い、クイックテストもしくはPCR検査をする。その結果が陰性であれば、自宅隔離を終了する。
● 保健所は、電子医療申告アプリ上で自宅隔離中の感染者の健康状態を観察し、症状がある場合などには相談を受けて指示をすること。また、区・郡の医療センターに対して、毎日、管轄地区の自宅隔離者の状況を取りまとめ、報告する。
(4) 地区当局に対して
● 封鎖地区内の管理チームは、同居家族と共に自宅隔離中の感染者が誓約どおり行動するよう広報する。封鎖地区に住んでいる者は、ごみ処理の方法、自宅隔離を実施する各世帯の連絡先を把握し、各世帯がルールに従っているか確認する。
● 緊急対応チーム(医者、看護師、公安、ボランティアなどを含む)を設立し、その隊の連絡先を自宅隔離中の感染者に周知し、緊急の場合に(感染者が)支援を受けられるようにする。
● 自宅隔離中の感染者が決まりを誓約どおり遵守しない場合、コロナ対策指導委員会は、その者を区・郡の集中隔離施設へ搬送する決定を出す。違反の程度により、同委員会は、規定に沿った適当な処分を行う。
(連絡先)
在ホーチミン日本国総領事館 電話番号:+84-28-3933-3510