2021.06.23
ギニア・ゼレコレ県におけるエボラ出血熱の終息
●6月19日、WHOは、ギニア国内におけるエボラ出血熱の終息宣言を報告しています。
●ただし、今回のエボラ出血熱が発生した原因については、詳細な疫学的調査によっても未だに感染した場所と方法について決定的な結論が得られておらず、調査は継続中であり、未検出の症例が追加的に発生するリスクも残っていると評価しています。
1 エボラ出血熱の発生
2021年2月14日に、ゼレコレ県のグエケ及びゼレコレ市でエボラ出血熱の疑いのある7症例が特定され、同国保健当局がエボラ出血熱の発生を宣言していました。これは、2014年から2016年に西アフリカに影響を与えた大規模なエボラ出血熱発生以来、ギニアで発生した最初のエボラ出血熱の発生でした。
2月14日から6月19日までの間には、ゼレコレ県内で合計23症例(確認済み16症例、疑い7例)が確認されました。これらの症例のうち、11人が生存し、12人が死亡しました。症例のうち5症例は医療従事者であり、1症例は伝統的な医療従事者でした。
6月19日、WHOは、ギニアの保健当局が、同国ゼレコレ県において発生していたエボラ出血熱の終息宣言をしたと報告しました。
ただし、WHOは、エボラ出血熱はギニア国内の一部の動物集団で流行性のあるウイルスであり、生存者の特定の体液にウイルスが存続することを踏まえれば、エボラ出血熱の検出は予想外のことではなく、過去の限られた数のケースにおいて、生存者の体液の曝露に起因する二次感染が記録されているとしています。今回のエボラ出血熱が発生した原因については、詳細な疫学的調査によっても未だに感染した場所と方法について決定的な結論が得られておらず、調査は継続中であり、未検出の症例が追加的に発生するリスクも残っていると評価しています。
○6月19日付WHOアフリカ地域事務所による発表(英文)
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2021-DON328
2 エボラ出血熱について
エボラ出血熱は、エボラウイルスが引き起こす、致死率が高い極めて危険な感染症です。患者の血液、分泌物、排泄物などに直接触れた際、皮膚の傷口などからウイルスが侵入することで感染します。ヒトからヒトへの感染は、家族や医療従事者による患者の看護や葬儀の際の遺体への接触を通じて起きることが報告されています。
現在、予防のためのワクチンの臨床試験が世界的に進められていますが、治療は対症療法が基本となります。潜伏期間は2日から21日(通常は7日程度)で、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・食欲不振などに始まり、嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。更に悪化すると、皮膚や口腔・鼻腔・消化管など全身に出血傾向がみられ、死に至ります。
アルコール消毒や石けんなどを使用した十分な手洗いを行うとともに、エボラ出血熱の患者(疑い含む)・遺体・血液・嘔吐物・体液や動物に直接触れないようにすることが重要です。
エボラ出血熱に感染しないよう、以上を参考に、感染者が発生している地域には絶対に近付かないようにし、感染者又は感染の疑いがある人との接触は避け、野生動物の肉(bush meatやジビエと称されるもの等)を食さないなど、エボラ出血熱の感染予防を心掛けてください。
(参考)
○厚生労働省検疫所
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html
○国立感染症研究所:「エボラ出血熱とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html
3 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い
海外渡航前には、万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。
(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )
また、3か月未満の出張などの渡航の際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html 参照)
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)4475
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版) http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp
(現地在外公館連絡先)
○在ギニア日本国大使館
住所:Ambassade du Japon en Guinee,Landreah Port,Corniche Nord,Commune de Dixinn,Conakry,Republique de Guinee
電話:(市外局番なし)628-68-38-38~41 夜間・休日:664-58-04-94
国外からは(国番号224)628-68-38-38~41
FAX:(衛星電話コード870)782-500-815(インマルサット)
ホームページ:https://www.gn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html