2021.05.15
シンガポール 新型コロナ対策フェーズ2(警戒の強化)(2021年5月16日~6月13日)
新型コロナウイルスの発生に関する注意喚起(その47)につきまして,以下のとおりご連絡いたします。
新型コロナウイルスに関する注意喚起(その47)
令和3年5月15日
在シンガポール日本大使館
1.14日,シンガポール保健省(MOH)は,感染防止措置の強化等を概要以下の通り公表しました。詳細は保健省(MOH)HPを確認ください。
(1)関係省庁タスクフォース(MTF)は,国内外の新型コロナウイルスの状況を注視しています。市中感染の症例や,感染経路不明の市中感染例も増加し続けています。適時適切な対策を講じなければ,状況は急速に悪化する可能性があり,懸念されます。
【感染状況最新情報】
(2)この2週間で,(i)ICA職員とその親族,(ii)Tan Tock Seng Hospital(TTSH),(iii)Tuas South Community Care Facility,(iv)Pasir Panjang Terminal周辺で複数のクラスターの発生が確認されました。最近では,チャンギ空港第3ターミナルに新たなクラスターが発生し,これまでに46件の感染者が確認されています。
(3)コミュニティで検出されていない症例からの感染拡大を防ぐために,我々はコミュニティでの新たな感染が発生する可能性を検出,隔離,保護するために迅速な対策を講じています。
TTSHの患者や訪問者など感染期間中にTTSHなどで,これらのクラスターに巻き込まれた可能性のある人を対象に,積極的検査を実施しました。また,Pasir Panjang Terminaの港湾労働者や,チャンギ空港第1・第3ターミナル,ジュエル・チャンギの労働者を対象とした特別検査を実施しました。
また,2021年5月1日からは,地域や職場での交流を最小限にとどめ,コミュニティへの感染の連鎖を断ち切るための追加の対策を実施しています。
これらの対策は,2021年5月8日よりさらに強化され,大規模なクラスタ-が発生する可能性を最小限に抑えるため,社交的な集まりや,大規模イベント・活動の規模が縮小されました。
(4)しかし,感染経路不明の症例が相次いでいます。これは,コミュニティ内に検出されていない症例が存在し,コミュニティ内での感染が続いている可能性を示唆しており,感染の連鎖を断ち切るための初期の対策や現在行われている対策が不十分である可能性が憂慮されます。
このようなリスクを抑制するためには,断固とした行動が必要です。そのため,人が多く集まり,長時間マスクを外しているというような,よりリスクの高い環境に的を絞った制限をかけていきます。
【新型コロナ対策フェーズ2(警戒の強化)】
(5)2021年5月8日に導入した対策に続き,コミュニティでの症例の増加を断固として阻止するために,さらなる対策強化の必要があります。以下の対策は,2021年5月16日(日)から2021年6月13日(日)まで実施します。
【(A) 許容されるグループサイズのさらなる縮小】
(6)現在5人まで許容されている社交的な集まりを2人までに,1世帯あたり1日5人の訪問者の上限は1世帯あたり1日2人に,さらに引き下げます。個人は,他の世帯への訪問,友人や家族との公共の場での会合など,社交的な集まりの回数を1日2回までに制限してください。
(7)現在の育児環境を継続するために,祖父母が日常的に世話をしている孫については,1世帯あたり2人までの訪問者数や1日の交流回数にはカウントされません。ただし,祖父母は,自分自身と孫を新型コロナウイルスの感染から守るために,予防接種を受けることを強くお勧めします。
また,感染のリスクを減らすために,祖父母は異なる世帯の孫同士の交わりを最小限にすべきです。
【(B) 職場での交流を最小限にする】
(8)職場では在宅勤務が標準となります。事業者は,在宅勤務が可能な従業員には,在宅勤務を保証しなければなりません。引き続き,複数の職場への労働者の相互派遣は行わないでください。
事業者は,職場に戻る必要のある従業員の始業時間をずらし,柔軟な労働時間を実施することが必要です。職場での懇親会は認められません。 従業員は職場で食事休憩をとることができますが,マスクを外した状態で同僚と交流することは控えてください。これらの対策により,職場やその近くの共有スペース,公共交通機関などの公共の場での全体的な人の流れや交流を減らすことで,感染リスクを下げることができます。
【(C) 屋内での「マスクオフ」活動の中止】
(9)最近のクラスターでは,マスクオフの環境,家庭,飲食店などで高い発病率と2次感染が発生することが明らかになっています。
地域社会での感染リスクを低減するため,この期間中は,飲食店での食事など,屋内での「マスクオフ」活動を禁止します。その他室内エクササイズや,個人・グループでの室内スポーツ・エクササイズ活動が禁止されます。また,マスクを外す必要のあるパーソナルサービス(フェイシャル,サウナなど),歌,管楽器,金管楽器などの楽器の演奏も禁止されます。なお,マスクを外して診察を受ける医療・歯科では,この制限は適用されません。
詳細は以下および附属書Aをご参照ください。
(10)店内飲食(F&B)の中止
店内飲食は,客同士がマスクを外して長時間近接し食事をすることが多いため,よりリスクの高い環境です。コミュニティへの感染リスクを低減するため,屋内外を問わず,店内飲食店(ホーカーセンターやフードコートを含む)では,持ち帰りや配達のオプションのみを提供することになります。
(11)活動やイベントの規模縮小とイベント前検査の必要性。
大規模なクラスターが発生する可能性を最小限に抑えるため,イベント規模をさらに縮小し,規模上限を引き下げます。イベントの参加者が安全にイベントを進行できるようにするためには,イベント前検査(PET)が引き続き重要な手段となります。
PETの詳細については,MOHのウェブサイトをご覧ください。
MOH website:https://www.moh.gov.sg/covid-19/pet
a. 礼拝などの集まり
礼拝などの集まりは,PETを使用しない場合は一度に50人,PETを使用した場合は一度に100人が参加者の上限となります。エアロゾルによる感染のリスクをさらに軽減するために,宗教者をはじめとするすべての参加者は,常にマスクを着用しなければなりません。また,この期間中は歌や管楽器の演奏を禁止します。
b. ショッピングモール・ショールーム
ショッピングモールやショールームの収容制限は,現在のGFA(総床面積)1人当たり10平方メートルから16平方メートルにさらに縮小されます。人出の多いショッピングモールでの日曜日の奇数日,偶数日の入場制限は継続します。
c. アトラクション施設及びショー
MTIの事前承認を受けたアトラクション施設は,稼働率が,現在の50%から25%に引き下げられます。屋内および屋外のショーは,PET使用の場合は100人まで,PET使用なしの場合は50人までとなります。
d. 美術館・公共の図書館
収容上限を25%に削減して運営することができます。
e. 映画館
PETが導入された映画館では,最大100人まで入場が可能です。PETを使用しない場合は,50人までしか入れません。一般的なグループ規模である2名が適用され,映画館内での飲食物の販売・消費はできません。
f. 企業イベント・ライブパフォーマンス
PET使用の場合は100人まで,PET使用なしの場合は50人まで入場可能です。スピーカーや演奏者がマスクを外すことはできません。また,歌や管楽器や金管楽器などの楽器の演奏もできません。
g. 結婚式
●飲食店に対する措置と同様結婚披露宴は認められません。
●結婚式は,PET使用の場合参加者100名,PETなしの参加者は50名まで可能です。
h.葬儀
埋葬・火葬参列者の上限は,現在の30人から20人以下となります。参列者は,感染のリスクを減らすために安全な距離を保ち常にマスクを着用するようにしてください。
【対象となる支援】
【(A) F&B企業に対するJSS(Jobs Support Scheme)支援の強化】
(12)飲食店での店内飲食が禁止されたことを踏まえ,政府は,店内飲食が禁止されている期間中に従業員に支払われる賃金総額のうち,最初の月額4,600ドルの50%にJSS支援率を引き上げます。これは,2021年6月までに支払われた賃金に対する10%の支援からの引き上げです。
【(B) 政府所有の敷地内にあるホーカーセンターおよびコーヒーショップに対する1ヶ月間の賃貸料減免措置】
(13)自営業者でJSSの恩恵を受けないホーカーやコーヒーショップの出店者を支援するために,政府は政府機関のホーカーやコーヒーショップのテナントに対して1ヶ月間の賃料免除を行います。商業施設の家主は,この期間中,飲食店のテナントをサポートすることが求められます。
【フェイスシールドの使用】
(14)フェイスシールドはマスクの代わりに飛沫による感染を防ぐことはできないということが研究で証明されています。
さらに重要なことは,フェイスシールドは着用者が感染している場合,飛沫の拡散を十分に防ぐことができないということです。したがって,フェイスシールドは,医療上の例外や,12歳以下の子供がいる場合,新郎新婦が結婚の儀式を行う場合などを除き,マスクの代わりとして使用すべきではありません。
【戦略的検査の拡大】
(15)上記の対策は,コミュニティ感染のコントロールのために,過去1年間に構築してきた検査,接触者追跡,ワクチン接種の体制や能力が加わることにより更に強化されます。
特に検査は,ウイルスに感染した人を迅速に特定し,さらなる感染拡大の可能性を減らすための重要な防御手段の一つです。
積極的な検査,新型コロナウイルスへ感染リスクが高い人などの対象グループに対する定期的な検査,および急性呼吸器感染症(ARI)と診断された人に対するPCR検査により,コミュニティにおける感染経路不明な症例の迅速な発見が可能になりました。
さらに,可能性のある患者を迅速に発見するために,私たちは,SASH,PHPC,ポリクリニック,救急部,RSCで,ARIの症状があるすべての人を対象に抗原迅速検査(ART)を開始します。
このARTは,PCR検査と一緒に行われます。ARIの症状を持つすべての患者に対するART,PCR検査は政府が資金を提供します。
ARTの精度はPCR検査に比べて低く,偽陽性や偽陰性が多くなりますが,PCR検査に比べてARTは迅速な対応が可能であるため(検査登録してから結果を通知するまでの時間は,ART検査では通常約30分ですが,PCR検査では最大48時間かかります。),ARTによって陽性と判定された人に対して,公衆衛生上の措置を迅速に講じることができます。
(16)この強化された検査体制は,2021年5月15日より,すでにART提供者として認可されている約200のSASH,PHPCがスタートし5月中にポリクリニック,病院内の救急部,RSCやすべてのSASH,PHPCに拡大していく予定です。
また,TraceTogetherやSafeEntryプログラムなどのデジタルツールを利用することで,患者とその身近な接触者を迅速に特定することができるようになります。
【弱者とコミュニティの安全を守るために】
(17)ワクチン接種は,パンデミックとの闘いにおいて,引き続き重要です。ワクチン接種は,医療従事者や高齢者,新型コロナウイルスにさらされるリスクが高い人など,最も弱い立場にある人から始め,着実に進めてきました。
2021年5月13日の時点で,320万回以上のワクチンを接種しました。約190万人が少なくとも1回の接種を受けており,そのうち約130万人が2回目の接種を受け接種を完了しています。
(18)今回の事例は,ワクチンを接種しても感染の危険性が完全になくなるわけではないことを示しています。しかし,ワクチンを接種することで,感染を大幅に防ぐことができ,病気の重症度やその後の感染を減らすことができます。
ワクチン接種が重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。安全な再開を実施するためには,ワクチン接種率が高いレベルに達して初めて実感できるものです。ワクチン接種の提供が行われた際には,是非とも接種していただきたいと思います。
また,安全管理を徹底し,体調不良の際には医師の診察を受け,検査を受けてください。みんなで力を合わせれば,より強く,より安全になることができるのです
2.シンガポール保健省(MOH)は,シンガポール国内における感染者数及び,予防接種状況等関連情報を以下の保健省HPで公表しています。
(保健省HP)https://www.moh.gov.sg/covid-19
3.日本人の方も含め,日本に来航する際にはシンガポール出国前 72 時間以内の検査証明の提出が必要です。検査証明書をお持ちでない場合,検疫法に基づき上陸できません。
また,空港の制限エリア内において,ビデオ通話及び位置確認アプリのインストール並びに誓約書に記載された連絡先の確認が行われます。詳細は次のURLをご参照ください。
https://www.sg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/keneki_0108.html
4.航空会社各社は,新型コロナウイルスの発生により,路線の減便等の措置を実施しています。詳細は各社HPを確認下さい。
(日本航空HP)
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/flysafe/flights-service/#inter
(全日空HP)
https://www.anahd.co.jp/ja/jp/topics/notice200206/#2
(シンガポール航空・シルクエアーHP)
Singapore Airlines and SilkAir Flight Schedules - April to June 2021
(シンガポール・エアライングループにおけるチャンギ空港におけるトランジット対象地域も同HPを御参照下さい。)
5.外務省は,新型コロナウイルスの発生に関し,海外安全HPにて関連情報を掲載しています。渡航にあたっては,同ホームページ等にて最新情報の入手を行って下さい。
(海外安全HP)
外務省 海外安全ホームページ (mofa.go.jp)
6.外務省海外安全ホームページ,厚生労働省ホームページ,シンガポール保健省ホームページなどの最新情報を収集し引き続き感染予防に努めて下さい。
●首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
●外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
●法務省ホームページ
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/20200131comment.html
●厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
●厚生労働省検疫所ホームページ
https://www.forth.go.jp/news/20200129.html
●シンガポール保健省(MOHホームページ)
https://www.moh.gov.sg/
(参考)シンガポール政府はWhatsAppの専用チャンネルを設け情報を提供しています。(チャンネル登録:https://go.gov.sg/whatsapp)
在シンガポール日本国大使館
TEL:6235-8855
FAX:6733-5612
E-mail:ryoji@sn.mofa.go.jp
http://www.sg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html