2020.10.21
シンガポール フェーズ3へのロードマップ
新型コロナウイルスの発生に関する注意喚起(その32)につきまして,以下のとおりご連絡いたします。
新型コロナウイルスに関する注意喚起(その32)
令和2年10月21日
在シンガポール日本大使館
1.シンガポール保健省(MOH)は,シンガポール国内における感染者数を次の通り公表しています(20日現在)。詳細は,保健省HPを確認下さい。
(1) 新規感染者数6名,累計感染者数57,921名,
累計退院者数57,819名,累計死亡事例28名,
20日現在隔離者数74名(病院内38名(重篤者0名),コミュニティ内隔離施設36名)。
(2)ドミトリー/専用居住施設(寄宿舎)滞在,建設現場等のワークパーミット所持外国人労働者感染者数2件。
(3)一般国内感染症例0件。
(4)輸入症例4件(シンガポール人1件,PR1件,就労パス保持者2件)。
輸入症例者のすべては,シンガポールに到着後14日間のSHN実施中に感染確認。
2.20日,保健省は(フェーズ3へのロードマップ)を要旨次の通り公表しました。詳細は,保健省HPを確認ください。
(保健省HP)
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/roadmap-to-phase-three
(1)サーキットブレーカー開始より半年以上が経過し,そして,活動の段階的再開から4ヶ月以上が経ちました。私たちは長い道のりを歩んできました。医療能力の増強,接触追跡と検査能力の増強,地域社会,職場,寄宿舎での安全管理措置の導入,安全で調整された方法での国境の開放です。皆の努力と犠牲によって,感染をコントロールし,コミュニティへの感染を低く抑えることができています。
(2)フェーズ3に向けて安全な再開の道程を継続するためには,いくつかの条件と要素が整っている必要があります。特に,安全管理措置を遵守することに加えて,検査や追跡の取り組みを拡大し続けなければなりません。これにより,コミュニティへの感染を抑えながら,より多くの活動を安全に再開することができるのです。
(3)フェーズ3は,新型コロナウイルス以前の状態に戻すものではありません。世界がウイルスを厳重に管理できる(例えば,より効果的な治療法や広く利用可能なワクチンなど)ようになるまで,新しい働き方や暮らし方が必要になります。そのため,私たちはフェーズ3が長期間(場合によっては1年以上)続くことを覚悟しなければなりません。フェーズ3もまた,固定的なものではありません。より多くの成功要因を導入することができれば,フェーズ3内でも活動をさらに再開し,スケールアップしていく余地があります。
【フェーズ 3 の主要な成功の鍵】
(安全管理措置の継続実施 )
(4)他の国々では,より多くの活動が開放され,安全な管理措置が遵守されていないために,新型コロナウイルスが再燃している例があります。シンガポールでは,コミュニティで症例が継続的に発生しているにもかかわらず,状況がコントロールされていることを確認するために,私たちは各々がこの数ヶ月間に苦労して実践してきた習慣/慣行を維持していかなければなりません。
(より多くの活動を可能にするための検査)
a) 小さなグループの規模
グループの規模を小さくし,接触者の数を制限することで,ウイルス感染の速度を遅くし,拡散のリスクを減らすことができます。私たちは今後も,公共の場でも家庭への訪問者でも,グループの規模に制限を設けていきます。
b) セーフディスタンス
個人とグループが混じり合わないようにするなどして安全な距離を保つことは,感染拡大のリスクを減らすための重要な手段であり続けています。私たちは,グループ間の交流を禁止または最小化するだけでなく,セーフディスタンスを保つための要件を引き続き設定します。
c) 社会的責任
マスクの着用と皆が衛生措置を遵守することが,私たちと他の人を新型コロナウイルスから守ります。急性呼吸器感染症の症状がある人は,できるだけ早く医師の診察を受け,医師の指示があればPCR検査でフォローアップする必要があります。
(より多くの活動を可能にする検査)
(5)関係省庁タスクフォースは,より多くの活動を安全な方法で再開できるようにするために,イベントでの新型コロナウイルス・リスクを低減させ,より大規模でリスクの高い活動を実施するために,イベント前の新型コロナウイルス検査を試験的に実施しています。
(6)イベント前検査では,イベントや活動への参加者は,イベント会場または別の検査施設で,イベントの直前に検査を受ける必要があります。新型コロナウイルス検査で陰性と判定された参加者のみがイベントへの参加を許可されます。これは,陽性者がイベントで他の人に感染することを防ぐためです。
(7)イベント前の検査にかかる時間を短縮する必要があるため,私たちは,一定程度正確な結果を迅速に得ることができる抗原検査の使用を検討しています。これは,精度の高いPCR検査に加えて,多様なケースに対応できるように多様な検査を用意するという私たちの戦略の一環です。抗原検査の精度は低いため,新型コロナウイルスがイベントに侵入する可能性があります。そのため,感染のリスクを減らすために,マスク着用,セーフディスタンス,グループの規模,収容人数の制限など,安全な管理措置を講じる必要があります。抗原検査の精度が低いということは,偽陽性,つまり感染していないにもかかわらず陽性と判定された人がいる可能性があるということも意味します。
(8)この試行措置により,保健省(MOH)は,イベント前の検査プロセスを試行し,より広く実施できる様々なイベントを特定し,より大規模なイベントやリスクの高いイベントが再開できるようになります。2020年10月中旬から2020年12月にかけて,企業間イベント,結婚披露宴,ライブパフォーマンス,スポーツイベントなど,さまざまな設定の中から選ばれたイベントを特定し,イベント前検査のためのさまざまな運用ワークフローをテストします。例えば,イベント前検査を試験的に実施する企業間イベントの1つとして,来週開催される(Singapore International Energy Week)が挙げられます。イベント主催者や参加者からのフィードバックを収集し,検査のプロセスを微調整していきます。試行措置が成功した場合には,検査をどのようにし
てより広く利用できるようにするかを評価します。詳細については,イベント前検査試行に関するファクトシートを参照してください。Factsheet on Pilots for Pre-event Testing.
(より多くの活動を可能にするデジタル追跡ツール)
(9)安全管理対策と規模の拡大された検査と並行して,私たちは,SafeEntry と TraceTogether という 2 つの主要なデジタル追跡ツールを活用して,接触追跡体制の強化を継続する必要があります。SafeEntry の積極的な使用は,新型コロナウイルス・クラスターを迅速に検出するための MOH の能力を大幅に向上させました。同時に,新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者を迅速に特定するためには,TraceTogetherプログラムへの参加を増やす必要があります。これらのデジタルツールは,より大きなグループ規模や大規模な活動の結果として発生する症例を迅速に隔離するために非常に重要です。これらのツールがなければ,何代にもわたって拡散し,大規模なクラスターが形成される可能性があります。
(10)フェーズ 3 を開始する前に,TraceTogether の利用率を上げる必要があります。国内外の経験から,社会的な接触は,近接した場所で行われることが多く,また,時にはマスクをしていない状態で長時間行われることが多く,それが拡散の鍵を握っています。したがって,TraceTogether の利用率を高めることが不可欠であり,これにより,迅速に追跡して感染を隔離することができるようになります。
(11)もう一つの前提条件は,TraceTogether を利用した SafeEntry の展開を拡大することで,訪問者は,携帯電話の TraceTogether アプリを使用して QR コードをスキャンするか,またはスキャンするために Trace-Together トークンを提示することで SafeEntry にチェックインする必要があります。これにより,人が長時間接触する可能性のある場所や人の往来が多い場所を訪れる人が,TraceTogetherアプリまたはTraceTogetherトークンを持っていることを確認することができます。今後は,職場や学校,さらには映画館やライブハウス,ショッピングモール,飲食店など,より多くの公共の場にTraceTogether専用のSafeEntryを順次展開していきます。
(12) 皆がアプリをダウンロードするか,TraceTogether 専用の SafeEntry の施設で使用するためのトークンを受け取ることをお勧めします。
TraceTogetherトークンは現在,シンガポール国内38のコミュニティセンター/クラブ(CC)で入手可能で,2020年11月末までに108のCCすべてで入手できるようになる予定です。最新のスケジュールや受け取りに便利な場所については,TokenGoWhereのウェブサイト(https://token.gowhere.gov.sg)を参照してください。
【フェーズ3への移行】
(13)以上の条件と要素が整えば,フェーズ3への移行が可能となります。フェーズ3への移行には,以下の調整が必要となります。移行の正確な時期は,要件に協力する我々の総合的な能力に依存します。今後数週間のうちに更新されるいくつかの措置の詳細は,下記にまとめられています。
(グループ規模の拡大)
(14)フェーズ3では,家の外での集会のグループの人数を現在の5人から8人に増やすことができます。家に入ることができる訪問者の数も同様に8人に増加します。
(定員制限の拡大)
(15)現在,美術館やアトラクションなどの公共の会場は,定員制限を条件にすでに開放されています。宗教行事や結婚披露宴のようなイベントも,50人の2つのグループにすることで開催することができます。フェーズ3では,これらの定員制限を増やし,50人の複数のグループでのイベントを可能にします。これらの変更はすべて,フェーズ3を実施する過程で,場合場合に管理された方法で行われなければならず,特定の場合には追加の措置が適用されます。
(16)例えば,結婚披露宴はリスクの高い活動です。人々はマスクをせずに食事をするために社会的な交流が生じる可能性が高くなります。そのため,出席者数の拡大には,イベント前の検査を含めた安全対策が必要となります。
(17)また,このような大規模イベントでは,安全管理措置を遵守することも重要です。そのため,政府機関は,ルール違反のチェックや調査を容易にするために,イベントのビデオや写真の撮影を要求することもあります。
(リスクの高い環境での活動への配慮)
(18)バー,パブ,カラオケ,ナイトクラブなどの施設は,感染のリスクが高いため閉鎖されています。フェーズ3の開始時に,これらの場所を再開する予定はありません。しかし,我々は,これらの業種が安全に再開できる方法を探るために,入場前検査を含むより厳しい一連の措置を条件に,いくつかの限定的な試行措置を検討する準備をしています。私たちは,再開の可能性についてナイトライフ業界と協議していきます。しかし,ナイトライフ業界が元通りに完全に再開するには長い時間がかかることを現実的に考えなければなりません。再開しない場合は,政府は,事業者やオーナーが新しい業種に転換するのを支援するためのパッケージを導入する予定です。
(渡航の円滑化と国境の再開放)
(19)国境を閉鎖したままにしておくことができる大国とは異なり,私たちの生活と経済は,シンガポールが世界に開かれ,国際的にも渡航者にとっても重要なハブとなっていることに大きく依存しています。したがって,シンガポールが無期限に国境を閉鎖しておくことは不可能です。安全な方法で少しずつ渡航を再開できるようにしていかなければなりません。
(20)一方的な国境開放と(Air Travel Bubbles)により,リスクの低い国・地域(包括的な公衆衛生監視システムを持ち,新型コロナウイルスの拡散をうまくコントロールしている国)からの旅行者が,SHNに服することなく,新型コロナウイルス検査を受けてシンガポールに入国できるようにしています。
(21)リスクの高い国・地域からの旅行者に対しては,現在,自宅または専用のSHN施設でSHNを受けることになっています。我々は,コミュニティへの感染リスクを最小限に抑えつつ,より多くの旅行者が SHNを実施せずにシンガポールに入国できるようにするために,他の安全管理措置と組み合わせて,より頻繁に検査を実施する方法を模索しています。
(22)現在,2020年3月27日以降にシンガポールを出国するシンガポール市民(SC)/永住者(PR)/長期パスホルダー(LTPH)は,シンガポールに戻ってから14日以内に新型コロナウイルスの症状が発症し,政府の補助金や保険(メディシールド・ライフ/統合プラン,民間保険)を利用できない場合,入院医療費を自己負担することになっています(現在,例外は,許可された旅行制度(相互グリーンレーンなど)を利用して渡航する場合や,フルタイムの留学で海外に渡航する場合のみです)。国境を開放するという動きに沿って,我々は,今後,海外に渡航するすべてのSC/PR/LTPHが,医療費のために政府の助成金や保険を利用可能にします。
(23)2020年3月27日より前にシンガポールを出国したSC/PR/LTPHの医療費請求方針に変更はありません。つまり,新型コロナウイルス治療のための入院医療費がかかる場合は,帰国後も政府が負担します。
【フェーズ3以降への道のり】
(24)新型コロナウイルスの新たな正常化に向けてこれらの調整を行う際,関係省庁タスクフォースは,ワクチン,治療,検査,その他の技術など,制限をさらに緩和し,安全な方法で世界との接続を再開することを可能にするパラレル・トラックの実施を模索していきます。この先の道のりは長いかもしれませんが,企業,科学者,現場で働く人々,一般の人々を含むすべての人々の協力があれば,この経験からより強くなり,フェーズ3以降へとスムーズに移行することができると確信しています。
3.9月18日より,シンガポールとの間でビジネストラックの運用を開始しています。ビジネストラックは,例外的に相手国又は本邦への入国が認められ,(本邦活動計画書)の提出等の追加的条件の下,相手国又は本邦入国後の14日間の自宅等待機期間中も,行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能となる(行動制限が一部緩和される)スキームです(注)。主に短期出張者用のスキームであり,特にシンガポールとの間では,本スキームの利用者の渡航先における滞在期間は30日以内に限定されます。
(注)自宅等と用務先の往復等に限定した形で,公共交通機関不使用,不特定の人が出入りする場所への外出は回避
なお,(ビジネストラック)に加え,入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ,双方向の往来を再開する(レジデンストラック)についても,9月30日より,シンガポールとの間で運用を開始しています(日本からシンガポールに来訪される場合のシンガポール当局からの事前承認取得や指定施設での隔離等に変更はありません)。
詳細につきましては,以下リンクをご参照ください。
(大使館HP)
(国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について)
国際的な人の往来再開に向けた段階的措置に関する情報提供
https://www.sg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/phased_measures_for_resuming_cross-border_travel.html
4.航空会社各社は,新型コロナウイルスの発生により,路線の減便等の措置を実施しています。詳細は各社HPを確認下さい。
(日本航空HP)
https://www.jal.co.jp/cms/other/ja/weather_info_int.html
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/inter/201001_04/
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/inter/201101_04/
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/inter/201201_04/
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2021/inter/210101_04/
(全日空HP)
https://www.anahd.co.jp/ja/jp/topics/notice200206/#2
(シンガポール航空・シルクエアーHP)※11月より福岡便を運行再開
https://www.singaporeair.com/en_UK/sg/media-centre/news-alert/?id=k88gnin9
https://www.singaporeair.com/saar5/pdf/media-centre/201002NorthAsia.pdf
(シンガポール・エアライングループにおけるチャンギ空港におけるトランジット対象地域)
https://www.singaporeair.com/saar5/pdf/media-centre/201008TableforCitiesApprovedforTransit.pdf
5.外務省は,新型コロナウイルスの発生に関し,海外安全HPにて(感染症
危険情報)を発出しています。渡航にあたっては,同ホームページ等にて最新
情報の入手を行って下さい。
(海外安全HP)
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/info0826.html
6.今般の世界的な新型コロナウイルスの発生を受け,各国政府が日本・シン
ガポールを含む国々の入国制限措置及び検疫強化措置を実施していますので,
渡航にあたっては,外務省HP・渡航先大使館のホームページ等にて最新情報
の入手を行って下さい。
(海外安全HP)
(新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html
7.外務省海外安全ホームページ,厚生労働省ホームページ,シンガポール保健省ホームページなどの最新情報を収集し引き続き感染予防に努めて下さい。
●首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202003/18corona.html
●外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
●法務省ホームページ
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/20200131comment.html
●厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
●厚生労働省検疫所ホームページ
https://www.forth.go.jp/news/20200129.html
●シンガポール保健省(MOHホームページ)
https://www.moh.gov.sg/
(参考)シンガポール政府はWhatsAppの専用チャンネルを設け情報を提供しています。(チャンネル登録:https://go.gov.sg/whatsapp)
在シンガポール日本国大使館
TEL:6235-8855
FAX:6733-5612
E-mail:ryoji@sn.mofa.go.jp
http://www.sg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html