2020.10.21
アイルランド 全国における行動制限措置のレベル5への引上げ
10月21日深夜24時から6週間、アイルランド全国の行動制限措置が、パンデミック対応計画のレベル5に引き上げられます。5段階の行動制限措置のうち、最も厳しい制限が適用されますので、在留邦人及びアイルランド滞在中の邦人の皆様におかれましてはくれぐれもご注意下さい。
1 10月19日夜、マーティン首相は演説を行い、感染拡大を理由に、10月21日深夜24時から6週間、全国の行動制限措置をパンデミック対応計画において最も厳しいレベル5に引き上げる旨発表しました。
10月15日からは英国領北アイルランドに隣接する北部3県(キャヴァン(Cavan)、ドニゴール(Donegal)及びモナハン(Mohaghan))においてレベル4に引き上げられ、また、同3県を除く全国においてレベル3を維持することとしていました。この措置が、同21日深夜24時から、全国一律でレベル5に引き上げられます。
このように、アイルランド全国の行動制限措置が最も厳しいレベルまで強化されますので、在留邦人及びアイルランド滞在中の邦人の皆様におかれましてはくれぐれもご注意下さい。
※マーティン首相演説の内容については、次の政府ウェブサイトをご参照下さい。
https://merrionstreet.ie/en/News-Room/News/Statement_of_An_Taoiseach_Micheal_Martin_TD_Government_Buildings.html
2 上記1のマーティン首相演説後、アイルランド政府はプレスリリースを発表し、レベル5への引き上げは、現在の公衆衛生上の勧告、全国における感染状況の悪化及び学校や託児施設を開けておき、新型コロナウイルス感染症以外の保健サービスを維持し、脆弱な者たちを保護することにより家族を支援するという政府の目的に基づくものと説明しています。
また、アイルランド政府は、レベル5での制限が、全国において個人やビジネスにもたらす困難、失業、貧困及びホームレス状態のリスクにかんがみ、政府は、(賃貸住宅からの)立ち退き猶予を復活させ、パンデミック失業手当(Pandemic Unemployment Payment)及び被雇用者給与補助スキーム(Employment Wage Subsidy Scheme)がこれらの難局を反映するよう修正することに同意しました。
このプレスリリースは、全国をレベル5の下に置くことによる影響として、以下(1)から(21)の諸点を伝えています。
(1)人々は自宅に留まることを要請される。必要不可欠なサービス(下記アからツ)を提供するためであって、物理的に立ち会うことが求められる場合を除き、在宅勤務のこと。
ア 農業、園芸、林業、漁業、動物の福祉及び関連サービス
イ 製造
ウ 機械・設備の供給及び据付け
エ 電気、ガス、水道、下水道、廃棄物管理
オ 建設及び開発
カ 卸売、小売
キ 運輸、倉庫、通信
ク 宿泊、食事のサービス
ケ 情報、通信
コ 金融、法的活動
サ プロフェッショナル、学術、技術活動
シ レンタル、リース活動
ス 事務、支援活動
セ 行政、非常事態対応、国防
ソ 保健、社会福祉活動
タ 教育
チ コミュニティー・サービス、ボランティア・サービス
ツ 外交使節、領事業務
(2)自宅から半径5キロ以内でのエクササイズが認められる。
(3)必要不可欠な仕事及び目的の場合(下記アからキ)を除き、自宅から半径5キロを超える移動は処罰される。
ア 必要不可欠な品物の買い物
イ 必要不可欠なサービス(上記4(1)参照)を提供する場合の通勤
ウ 通院や薬剤その他の健康製品の受取り
エ 子ども、高齢者、脆弱な者対するケア、特に「拡大された世帯」(サポート・バブル)の一員としての一人暮らしの者に対するケア等、極めて重要な家族の事情。ただし社交的な家族訪問は除く。
オ 結婚式・披露宴(招待客25人まで)及び葬儀(参列者10人まで)
カ 農業、すなわち食料生産、家畜の世話
キ 墓参
(4)レベル5に関する公衆衛生緊急チーム(NPHET)の勧告にしたがい、学校、幼児教育、託児サービスは開けたままとし、必要不可欠と見なされる。
(5)更に、制限措置が子どもや青年に影響を与えることを認識して、身体接触を伴わない学齢期の子どもたちへの訓練については、屋外において15人までのグループであれば継続可能。それ以外の訓練は一部例外を除き、個人的訓練でなければならない。
(6)他人の家や庭を訪問してはならない。
(7)しかしながら、社会的に孤立するリスクがある人々やメンタル面で不健康な人々を支援する目的で、特定のカテゴリーの個人のための「拡大された世帯」(サポート・バブル)のコンセプトが作られる。このコンセプトの下、特定カテゴリーの個人は、他の1世帯を指名して、指名した世帯と交流することができ、これは、すでに例外として認められている社会的支援(上記4(3)エ参照)を超えて許容される。
(8)結婚式・披露宴及び葬儀(上記4(3)オ参照)を除き、社会的集会や家族の集会を行ってはならない。
(9)家や庭以外の屋外の場所(公園等)において、他の1世帯と会うことは可。エクササイズのために会うことも含まれる。
(10)組織的なイベントは、屋内、屋外とも不可。
(11)必要不可欠な小売(食料、薬局、医療品、燃料、動物用品、クリーニング、銀行、郵便局、安全用品、ホームセンター、オンライン・ショッピング等)及びサービス(上記4(1)参照)は営業を継続。
(12)公共交通機関は、乗車人数を25%に減らし運行。(学校による運行には影響しない。)
(13)レベル5に関するNPHETの勧告に沿って、プロ級・エリート級のスポーツ、県対抗ゲーリック・ゲーム(注:アイルランド式球技)、競馬、ドッグ・レースについては、無観客での開催は可。
(14)カフェ、レストラン及び食事を提供しないパブは、テイクアウト及びデリバリーでのみ営業可。ダブリンにおいては、食事を提供しないパブは閉鎖のまま。
(15)ホテル、ゲストハウス及びB&Bは営業継続可。ただし、必要不可欠なサービスを提供する支援のために限る。
(16)70歳以上の者及び医学的に脆弱な者には、個人的な判断を続けるよう勧告する。可能な限り自宅にとどまること、また、非常に小さなネットワークとの短時間の、かつ物理的距離を維持しての接触に限ることを勧告する。屋外でのエクササイズの際は、他者と2メートルの距離の維持や、帰宅時の手洗いが重要。買い物は、指定された時間帯にのみ、顔を覆う用品を着用して行うこと、また、公共交通機関利用を避けることを勧告する。
(17)礼拝はオンラインで可能。
(18)博物館・美術館、ギャラリー、その他の文化アトラクションは閉鎖のまま。
(19)図書館はオンライン・サービスのみとする。
(20)屋外の遊び場及び公園は、保護措置を講じた上で、開けたままとする。
(21)長期居住ケア施設への訪問は、重篤な状態や特別な配慮を要する状況を除き停止する。
※19日にアイルランド政府が発出したプレスリリースの内容は、次の政府ウェブサイトをご参照下さい。
https://www.gov.ie/en/press-release/66269-ireland-placed-on-level-5-of-the-plan-for-living-with-covid/
※レベル5の行動制限措置内容の詳細は、次の政府ウェブサイトをご参照下さい。
https://www.gov.ie/en/publication/2dc71-level-5/?referrer=http://www.gov.ie/level5/
※レベル5における必要不可欠なサービスに該当する職種の詳細は、次の政府ウェブサイトをご参照下さい。
https://www.gov.ie/en/publication/c9158-essential-services/?referrer=http://www.gov.ie/essentialservices/
3 政府は、10月19日時点の新型コロナウイルス感染症の累計症例数を50,993件、累積死亡者数を1,852名と発表しました。
4 在留邦人及びアイルランド滞在中の邦人の皆様におかれましては、政府の示したガイドラインに従い、感染予防に万全を期してください。
※新型コロナウイルスの最新情報は下記に掲載されています。
<当大使館のウェブサイト>
https://www.ie.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00004.html
<保健サービス委員会(HSE)の新型コロナウイルス関連情報ポータルサイト>
https://www2.hse.ie/coronavirus/?source=banner-www
<政府の新型コロナウイルス関連情報ポータルサイト>
https://www.gov.ie/en/campaigns/c36c85-covid-19-coronavirus/
5 万一、新型コロナウイルス感染症に感染と診断されるなどの場合には、下記代表電話にご連絡ください。
在アイルランド日本国大使館
住所:Nutley Building, Merrion Centre, Nutley Lane, Dublin 4, D04 RP73
電話番号(代表):01-202-8300
E-mail(領事班):consular@ir.mofa.go.jp