2020.08.15
アメリカ 非移民ビザ(H-1B、H-2B、J、L)について(National Interestの詳細事例)
非移民ビザ(H-1B、 H-2B、J、L)による米国入国の停止・制限措置(ビザ発給制限措置)等に関する6月22日付の大統領布告(10052号)に関し、8 月 12日、米国務省は、同措置の例外となる「National Interest」の詳細な事例を発表しました。主な内容は以下のとおりです。
(注)できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが、ご自身に関係する事項については、必ず米連邦政府の発表をご確認ください。なお,以下は今回の発表内容を網羅的に記載したものではありません。
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大統領布告10052号の例外となる「国益にかなう非移民の渡航」には以下が含み得る(以下はNon-Exclusiveリストである)。
<H-1Bビザ申請者>
●公衆衛生や医療の専門家または研究者で、COVID-19パンデミック(含:波及的影響)の緩和あるいは医療研究を目的とした渡航(例:癌や感染症の研究)。
●重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。
●米国内で継続中の雇用を、同じ役職、同じ雇用者、同じビザの種類で再開しようとするビザ申請者による渡航。領事担当官は、Form I-129のPart II、Question 2 を参照し、申請者が「以前承認された雇用と同じ内容の雇用を同雇用者と結んでいる」ことを判断する。
●米国の緊急的かつ継続的な経済回復に必要な技術的専門家、シニアレベルのマネージャー、または同程度の資質を持つ者による渡航。領事担当官は、H-1B申請者が、以下の5つの項目のうち少なくとも2つを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなす。
[1]請願者たる雇用者が、米国内のH-1B非移民によるサービスまたは労働について継続的なニーズを有していること。
[2]請願者たる企業における申請者の職務及び役職が、当該企業の重要インフラのニーズを満たすために多大かつユニークな貢献をすることが示されていること。重要インフラ部門には、化学、通信、ダム、防衛産業基盤、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食品・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水システムを含む。重要インフラ部門における雇用だけでは本条件を満たすのに不十分であり、領事担当官は、申請者が以下に示す2つの職務のうちどちらかを満たすことを確認しなければならない。
・請願者たる組織におけるシニアレベルとしての配属、または、企業全体を管理し成功へ導くにあたりユニークかつ極めて重大な役割を担う職務であること
・請願者たる企業における申請者の職務及び専門知識が、当該企業に多大かつユニークに貢献することを示していること
[3]H-1Bビザ申請者に支払われる賃金が、賃金相場よりも少なくとも15%以上高いこと。
[4]H-1Bビザ申請者の学歴、研修歴、経験が、当該申請者が雇用される専門的職業における類まれな専門的技術があることを示している。例えば、博士号または専門職学位を有する者や複数年に及ぶ関連の職務経験を有している者は、本項目を満たし、当該企業にとって重要な職務を果たす可能性が高いとみなされる。
[5]大統領布告10052号に従ってビザ発給を拒否することで、米国雇用者に財政的困難が生じる場合。
<H-2Bビザ申請者>
●重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。
●緊急的かつ継続的な米国の経済回復に不可欠な渡航(例:林業及び自然保護や家畜以外の動物の飼育に携わる者)。領事担当官は、申請者が以下に示す3つの項目のうち少なくとも2つを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなす。
[1]H-2Bビザ申請者が、請願者たる米国雇用者に以前も雇用され職業訓練を受けたことがあること。当該申請者は、2回以上のH-2Bビザ請願のもとで請願者たる雇用者に雇用された経験がなければならない。
[2]H-2Bビザ申請者が、雇用の継続的ニーズを示すtemporary labor certification (TLC)に基づき渡航する場合。
[3]大統領布告10052号に従ってビザ発給を拒否することで、米国雇用者に財政的困難が生じる場合。
<J1ビザ申請者>
●特別な補助が必要な子どもに対応する専門的技術(医療補助、特殊教育、または手話など)を有し、オペアによって、未成年の米国市民、合法的永住者、または合法的在留資格のある非移民に対しケア・サービスを提供するための渡航。
●米国市民、合法的永住者、または合法的在留資格のある非移民が、公衆衛生や医療機関その他公的機関の負担となることを防ぐための、オペアによる渡航。
●COVID-19感染者に医療を提供する親、または、米国内の施設でCOVID-19に関する医療研究を行う親を持つ子どものチャイルドケア・サービスを提供するための渡航。
●米国の国益を促進することを目的に、外国政府と米国連邦・州・地方政府との間に結ばれた了解覚書(MOU)、趣旨書、その他有効な合意または協定に従って実施される交換プログラムで、同合意が本布告の発効日前に有効となっていた場合の渡航。
●米国政府機関がスポンサーとなっているプログラムにおけるインターンシップまたは訓練(Form DS-2019で「G-3」から始まるプログラム番号のもの)に参加するための渡航。米国の緊急的かつ継続的な経済回復を支援する交換訪問プログラムに参加する個人で、米国政府機関に招待される者による渡航。
●Form DS-2019上のプログラム番号が「G-5」から始まる認定教育機関の特別教師による渡航。交換訪問プログラムの参加者で、公私の認定教育機関の初等教育または中等教育にフルタイム(対面教育の代替を含む)で勤務し、米国の教育に貢献することが認められる者。特別教師は、母国語レベルまたはそれに近いレベルの外国語能力を有し、同言語による担当科目の授業を行う能力があることを示す必要がある。
●重要な外交政策上の目的:本カテゴリーは、重要かつ時間的制約のある外交政策上の目的のために実施される交流訪問プログラムに参加する場合のみ該当。
<L-1Aビザ申請者>
●公衆衛生や医療の専門家または研究者で、COVID-19パンデミック(含:波及的影響)の緩和あるいは医療研究を目的とした渡航。
●重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。
●米国内で継続中の雇用を、同じ役職、同じ雇用者、同じビザの種類で再開しようとするビザ申請者による渡航。
●重要インフラのニーズを満たすために、雇用者の重要な職責を担うシニアレベルのエグゼクティブやマネージャーによる渡航。重要インフラ部門には、化学、通信、ダム、防衛産業基盤、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食品・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水システムを含む。L1-Aビザ申請者は、米国に新しいオフィスを設立せず、かつ、以下3つの項目のうち少なくとも2つを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなされる。
[1]シニアレベルのエグゼクティブかマネージャー
[2]海外の当該企業で複数年の実績があり、雇用者に財政的負担をもたらすような相当の訓練を受けた社員でなければ代替できない当該組織内の職務を果たすための実質的な知識及び専門性を有すること
[3]重要インフラのニーズを満たす企業の重要不可欠な業務を担当すること
米国に新しいオフィスの設立を希望する場合は、上記3つの項目のうち2つを満たし、かつ、直接・間接を問わず、5人以上の米国人労働者を雇用する必要がある。
<L-1Bビザ申請者>
●公衆衛生や医療の専門家または研究者で、COVID-19パンデミック(含:波及的影響)の緩和あるいは医療研究を目的とした渡航。
●重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。
●米国内で継続中の雇用を、同じ役職、同じ雇用者、同じビザの種類で再開しようとするビザ申請者による渡航。
●技術的専門家またはスペシャリストとして重要インフラのニーズを満たすための渡航。領事担当官は、L-1Bビザ申請者が以下の3つの項目全てを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなす。
[1]当該申請者の職務及び専門知識が、請願者たる企業に重要かつユニークな貢献を提供することを示すこと
[2]当該申請者の専門知識が、重要インフラのニーズに直結すること
[3]海外の当該企業で複数年の実績があり、雇用者に財政的負担をもたらすような相当の訓練を受けた社員でなければ代替できない当該組織内の職務を果たすための実質的な知識及び専門性を有すること
◎詳しくはこちら
・国務省発表「National Interest Exceptions」(8月12日更新)
https://travel.state.gov/content/travel/en/News/visas-news/exceptions-to-p-p-10014-10052-suspending-entry-of-immigrants-non-immigrants-presenting-risk-to-us-labor-market-during-economic-recovery.html
・在日米国大使館ホームページ(ビザ案内)
https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/
・6月22日付領事メール
https://www.us.emb-japan.go.jp/j/announcement/20200622importantmessagecoronavirus.pdf
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■在アメリカ合衆国日本国大使館
住所:2520 Massachusetts Avenue N.W., Washington D.C., 20008, U.S.A.
電話:202-238-6700(代表)
HP:https://www.us.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html