更新日:2023.02.07
航空券代金、高くないですか?
航空券の価格も原油価格の高騰等、様々な要因で値上がりしています。
食料品やガソリンなどの原油価格、飲料や日用品など、様々なモノが値上げ傾向にある昨今、今年の6月から燃油サーチャージが大幅に値上げとなりました。
燃油サーチャージの値上げの影響で、航空券価格自体も割高に感じる方も多いと思いますが、実際に航空券価格の値動きはどうなっているかを検証します。
値上げの原因
何故こんなに値上げラッシュが続いているのか。
食品や日用品も含め値上げとなる原因は様々ですが、以下が主な原因と考えられます。
・原油・天然ガスなどの燃料資源価格の高騰
・コロナ禍による供給不足
・為替相場の不安定
ウクライナ情勢の悪化による原油などの燃料資源の高騰、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、航空券にかかる費用も高騰しています。
原油価格の高騰の影響で燃油サーチャージ価格は欧州線で片道¥45,000~¥55,000と高水準になっております。
また、世界的なインフレ加速の影響もあり、航空券価格自体も値上げ傾向にあります。
※航空各社の燃油サーチャージの詳細については 航空各社の燃油サーチャージ一覧 をご参照ください。
実際どれだけ値上げしたの?
参考までに、各航空会社が設定する最安値往復運賃の値上げ幅を検証します。
(条件:2022年12月15日出発・最安値往復運賃での比較)
※中東エリアの値上げはサッカーワールドカップ開催の影響も含まれております
通常期と繁忙期/高い時と安い時
年末年始や大型連休などの繁忙期、オリンピックやサッカー/ラグビーワールドカップなどの世界的なイベントの開催期間などは通常期より料金設定が高くなります。
また、観光需要の多い路線は、高めの座席料金を設定し、市場の反応に応じて料金を調整しますが、ビジネス需要の多い路線は、初期設定で料金を低くし、出発間際の予約に対して料金を引き上げる傾向にあります。
営業終了間際のスーパーの惣菜コーナーは、少しでも利益になるよう半額など値引きして売り切る手法をとりますが、航空券は出発間際で空席数が多い場合でも、企業価値を下げる可能性のある強引な値下げはしないことが多い傾向にあります。
なぜ航空券は値段が変動するの?
多くの航空会社は、単純に需要と供給のバランスを考慮するだけでなく、状況に応じ素早くかつリアルタイムに運賃を調整し、航空会社の収益を最大化するための収益管理方法を用いて販売を管理しています。
基本的な管理は全て自動ですが、出発間際やイレギュラー対応時は手動で座席販売数を調整するケースもあります。
航空会社は航空券のルールや条件によって様々な運賃を設定し、それぞれに割り当てられる座席数を調整します。
一番安い運賃規則の厳しい運賃が売り切れた場合、価格は次に安い運賃に販売を移行するパターンが現在の主流です。
例:運賃の種類(見本)
旅行会社の予約システムは上記画像にある「予約クラス」が表示され、その予約クラスに空席がどれだけあるか表示されます。
(予約システムのイメージ)
(※1 上記画像の場合は最大表示が9であり、実際は9席以上の空席がある場合や、9席のみという実数の場合もあります)
上記画像の赤枠は、「Qクラス(エコノミー¥90,000)の空席が7席ある」という表示です。
Qクラスと同じ運賃規則でQクラスよりも安価なNクラス(エコノミー¥80,000)の座席は既に割り当てられた上限座席数に達している為、「0」の表示で予約が出来ない状況です。
このように、航空会社は需要予測や販売管理により空席をコントロールし収益管理をしていますが、安価な運賃の予約クラスをクローズし、比較的高価な運賃枠を販売する傾向が多く見受けられるため、昔に比べて航空券自体が高くなったという印象になるのです。
予約したのになぜ価格が変動するの?
「安い運賃の空席が残り僅かだったのでとりあえず予約したが、発券期限になり最終的に購入(決済・発券)しようとしたら、予約時より航空券代金が値上げしていた…」ということもよくあります。
燃油サーチャージや各種諸税含む航空券費用の料金は、予約時に確定するのではなく、航空券を購入発券することで確定します。
よって、予約後に航空会社の運賃改定があった場合、予約時と運賃額が変動することがありますので注意が必要です。
安い航空券はないの?
コロナ禍で運休や減便が相次いでいましたが、世界各国で規制緩和が進み、運行の再開や増便が相次いでおります。
その中で、航空各社は渡航需要を増やす為に旅行促進に向けた様々なキャンペーンを展開中です。
通常運賃よりも安い期間限定の特別運賃の設定、受託手荷物の追加が無料になる等の運賃以外のキャンペーンもございます。
世界情勢に大きく左右される航空運賃は今後も値上の傾向が継続する予想ですが、2022年12月1日発券分から燃油サーチャージを値下げする航空会社が多くなっています。
各種キャンペーンを利用したり、燃油が下がるタイミングでの予約発券や、閑散期に旅行を計画するなど、色々な工夫をし手配することが安く手配するポイントになります。
著者紹介
株式会社日本橋夢屋
マーケティング部門 係長
大石智洋
総合旅行業務取扱管理者
エアーセクションリーダー、ホテルセクション(現ランドセクション)リーダー、関西営業所所長を歴任
特技のドラムはインディーズデビューしたことも
最近、趣味の釣りのために車を購入